NHK長崎県のニュース 長崎放送局

県漁連が原発運転再開反対決議

長崎県漁業協同組合連合会は14日総会を開き、佐賀県の玄海原子力発電所の運転再開について、国や九州電力から安全性の十分な説明がないかぎり反対する決議を行いました。
都道府県の漁連が原発の運転再開に反対する決議を行うのは初めてです。
14日長崎市で開かれた長崎県漁連の総会には県内のおよそ70の漁協の組合長が出席し、佐賀県の玄海原発の運転再開に反対する決議を全会一致で決めました。
決議では、玄海原発から30キロ圏内では長崎の漁船が多く操業し、原発で事故が起きれば水産業への壊滅的な打撃は避けられず、漁業者としては安全・安心な水産物を提供する責務があるとしています。その上で、国や九州電力から安全性の十分な説明がないかぎり原発の運転再開に強く反対するとしています。
県内では、玄海原発から30キロ圏内にある松浦市など11の漁協が県漁連に対して運転再開に反対するよう要望していました。
全国漁業協同組合連合会によりますと、都道府県の漁連が原発の運転再開に反対する決議を行うのは初めてです。
総会のあと、玄海原発からおよそ8キロのところにある松浦市の新松浦漁協の川上茂男組合長は、「福島のような原発事故が起きれば、我々の業界はすべて崩壊する。国や電力会社に対して運転再開には真っ向から反対していく」と話していました。
長崎県漁連では、今後、決議文を国と九州電力に提出することにしています。
松浦市の離島・鷹島は、佐賀県の玄海原発からおよそ8キロのところにあり、全国一の生産量を誇る長崎県産のふぐの養殖が盛んに行われています。
このうち、養殖業を営む田島忠志さんは13年前に鷹島でふぐの養殖をはじめ、いまでは年間40トンを出荷しています。
田島さんは、玄海原発で事故が起きれば住民はただちに島の外へ避難を求められることが想定されるため、ふぐを別の場所に移すのは困難でさらに、その後の風評被害も心配だとして原発の運転再開に反対しています。
田島さんは「福島の事故で原発は本当に恐ろしいと思うようになった。原発から8キロしかないので、事故が起きれば捕った魚は売れなくなるし、養殖の仕事は全滅する。地域に十分な説明がないのに原発を運転再開すると言われても無理な話だ」と話していました。

06月14日 18時28分

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