オスプレイ:伊江、高江も猛反発

2012年6月14日 09時45分
(16時間13分前に更新)

 米軍によるMV22オスプレイの環境審査では、北部訓練場のうるささは改善されず、伊江島では訓練回数が倍増、東村高江のヘリコプター着陸帯での運用も明らかになった。安全性への疑念は全く解消されず、周辺住民からは「事故が増えるのでは」との不安が高まった。平和団体などは「普天間飛行場の危険性を放置していることも明示された」と批判し、ヤンバルクイナなど保護動物への対策効果にも疑問が上がった。

 陸上空母離着陸訓練(FCLP)などで、これまでの倍を超す年間約4200回の訓練が行われる見通しの伊江島補助飛行場。

 「配備についてまだ何も聞いていない。訓練の回数も増えるのか」。伊江村の名嘉實村議は困惑する。村議会では昨年6月、オスプレイの配備や訓練に抗議する決議と意見書を全会一致で可決した。「島でしかできないような訓練を押しつけるのは、植民地のような扱い。事故が起きてからでは遅い。もう一度反対決議を出すしかない」と話す。

 飛行場近くに住む西崎区長の儀間五子さんも憤る。いまでも、CH46中型輸送ヘリコプターが、寝静まった午後11時ごろになっても訓練をすることがある。まき散らす粉じんで、洗濯物は汚れ、トウガンや葉タバコの出来を悪くすることに悩む。

 「騒音計がないので『すごくうるさい』と伝えても地域の思いが届かない。対策はとられないまま。それなのに、さらに訓練が増えると思うと不安だ。事故も防げないんじゃないか」と訴えた。

 高江で移設工事に反対する「ヘリパッドいらない住民の会」の安次嶺現達さん(53)は「日本政府はオスプレイを想定したヘリパッド建設の環境評価も実施していない。配備直前に明らかにして『お願いします』では通らない」と憤る。「CH46と同様の訓練や低空飛行が行われれば明らかに危険。ヘリパッドの一つは自宅から400メートルしか離れていない」と不安がった。

 同会メンバーらは工事再開を警戒し今週、24時間態勢で工事予定地の監視を始めた。

 同会の伊佐真次さん(50)は「海外では実際に事故や火災が起きている。仮にダムなどに墜落すれば県民全体の生活に影響が出る」と懸念。「オスプレイパッドになることが明らかになった今、絶対に造らせてはいけない。移設工事を容認している村も工事反対の声を上げてほしい」と訴えた。

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