それでも予備率「ゼロ」 遠い電力不足解消
2012/06/14 23:31更新
この記事に関連するフォト・情報
記事本文
関西電力の大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働によって、関電管内の電力需給は大きく改善する見通しだ。ただ、両機が供給力に加わっても、一昨年並みの猛暑になった場合、関電管内の電力需給はプラスマイナス「ゼロ」となるだけで、設備故障など不測の事態によって突発的な大規模停電が起こる恐れは残る。計画停電のリスクも消えておらず、電力不足の根本解決にはほど遠いのが実情だ。
大飯原発再稼働に向けて、関電は3、4号機がともにフル稼働するまでに6週間が必要としている。長期間の全号機停止状態からの再稼働はこれまで経験したことがなく、通常の再稼働に比べ2倍以上の時間をかける。
それでも週内に再稼働の準備に入れば、電力需要が例年ピークとなる7月下旬にぎりぎり間に合う計算だが、関電幹部は「原発の再稼働は飛行機と同じで離陸が最も難しく、トラブルも起きやすい」と不安を隠さない。万一にもトラブルが起きれば、再稼働時期は後ろにずれ込むことは避けられない。
大飯3、4号機の再稼働がない場合、関電管内では最大14・9%の電力不足に陥る可能性があるが、両機がフル稼働すれば、合計236万キロワットの供給力が上乗せされる。さらに、夜間電力を使ってくみ上げた水で発電する揚水発電の発電量も増えるため、電力需給の余裕を示す「予備率」はゼロにまで改善する。
関連記事
記事本文の続き ただ、それでも電力の安定供給にはほど遠い。設備故障など不測のトラブルも考慮すれば、予備率は8~10%が適正とされる。電力需要の瞬間的な変動に対応するために最低でも必要とされる予備率3%にも届いておらず、関電の供給力はとても今夏の電力需要を補える状況にはない。
政府は3、4号機のフル稼働後に関電管内の節電目標を15%以上から5~10%引き下げる方向で検討しているが、強制力を伴わない節電目標の効果は不透明。猛暑になれば節電だけでは対応できず、区域や時間帯ごとに電力供給を止める計画停電に追い込まれる可能性は残っている。
広告
話題のニュース
ニュース記事ランキングの一覧
タイトル | 更新日付 | 補足情報 |
---|---|---|
【主張】オスプレイ配備 日本の平和と安全を守… | 06/13 03:31 | |
6歳未満脳死判定 報道陣に退去求める | 19:39 | |
礒飛容疑者、兄2人と絶縁状態…地元に身寄りな… | 06/13 16:03 | |
小沢氏に行き詰まり感 週刊誌には「夫人の離婚… | 02:45 | |
コンプガチャ高額請求トラブル「高2が2か月で40… | 10:02 | |
礒飛容疑者、拘置所から元勤務先に「仕事ほしい… | 12:25 | |
選手も困惑…主審の“不可解”な笛 | 06/13 09:25 |