山形のニュース
太陽光発電、施設間で融通 山形県が民間と実証研究へ
山形県は本年度、NTTファシリティーズ(東京)などと共同で、太陽光発電の電力を施設間で融通し合う技術の開発を目指し、山形市内で実証研究を始める。電力を余った施設から足りない施設に送り、地域内で効率よく使う仕組みを探る。電力を地産地消する「エリア供給システム」に欠かせない技術で、再生可能エネルギーの普及に向け研究成果が注目される。 実証研究は、地球温暖化対策の技術開発を図る環境省の委託事業。実施地域は山形県と北海道帯広市の2カ所で、3月に事業採択された。単年度事業だが、研究自体は3カ年の予定。NTTファシリティーズと同省は近く、事業契約を結ぶ。 山形市内では緑町の県部長官舎と県立高校、県立図書館と県生涯学習センターが入る「遊学館」などの県有施設に太陽光発電パネルを設ける。 各施設の消費電力の推移を把握し、過不足に応じて施設間で電力をやりとりする仕組みをソフト、ハード両面から開発する計画だ。 本年度は、各施設で電力がどのように使われているかの調査から始める。一部施設では年末にも太陽光発電パネルを設置する。 県は3月に策定した「県エネルギー戦略」で、再生可能エネルギーの導入促進や防災の観点から、エリア供給システムの構築を掲げた。地域の特性に応じて太陽光や風力、小水力発電を組み合わせ、地域内で電力を自給自足できるようにする。 県エネルギー政策推進課によると、今回の実証研究で需要者間の電力融通の技術が確立されれば、地域内の電力利用効率が上がり、最小限の設備投資でエリア供給システムを構築できるという。 同課は「将来の自立、分散型のエネルギーシステムのために必要な技術だ。県内企業も巻き込み、開発に取り組みたい」と意気込んでいる。
2012年06月14日木曜日
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