福井・大飯原発:再稼働問題 県議会の議論低調 知事に一任
毎日新聞 2012年06月14日 大阪夕刊
しかし、議会の関心や議論は低調だった。政府や関電の説明を聞く会合の開催を検討した5月初旬の自民の総会では、「開催すれば、よその議会と議論のレベルが比較される。開催せず静観するのも一つの手では」と、後ろ向きの意見が出た。再稼働についての意見集約についても、「再稼働は知事の判断だ。議会に意見を表明させて責任を負わせるというばかな話はない」と消極意見が相次いだ。自民も民主も、再稼働に慎重な支持者と期待する支持者を抱えており、意見集約の難しさは早期から指摘されていたが、結局は判断を避けた形だ。
首相会見を知事が評価し、再稼働同意が既定路線になったことも、議会の審議意欲を失わせた。「ゴールは大体決まっている」「(会派の意見を)言っても言わなくても同じ。セレモニーだ」。全協を前に12、13日の2日間にわたって議論された自民の総会では、冷めた意見が相次ぎ、活発な議論とはほど遠い状況だった。民主も、再稼働は野田内閣の方針ながら、再稼働に賛成する意見は出なかったという。民主幹部は「野田首相は再稼働と言ったが、会派としては再稼働ありきではない」とし、問題の複雑さをのぞかせた。