使用済み核燃料中間貯蔵施設:荒井知事、検討を断念 「核燃料の移動大変で不適」 /奈良
毎日新聞 2012年06月14日 地方版
使用済み核燃料の中間貯蔵施設の受け入れ問題で、荒井正吾知事は13日の定例記者会見で「(核燃料の)移動が大変で奈良は適地ではない」と述べ、検討を断念すると表明した。福井県の西川一誠知事が貯蔵施設を関西に作る必要性に言及し、荒井知事は今年4月、「電力消費地の本県も前向きに検討しなければならないと思う」と発言。担当職員を福井に派遣するなど調査していた。
荒井知事は会見で「立地県への理解と感謝は必要」としつつ、「核燃料の移動は危険が伴い、不測の事態も生じる。福井県も海べりの方がいいとおっしゃった」と述べ、陸上運搬のリスクなどを挙げて受け入れは困難との認識を示した。
一方、今夏の節電を巡り、荒井知事は「大飯原発の再稼働で(需給逼迫(ひっぱく)は)多少緩和されるかもしれないが、供給力は長期的には不安定な状況が続く」と述べ、15%以上の節電目標は変えないとした。また、県庁でも節電策として、部課単位で平日に休むなどの勤務シフトや、屋上散水による建物冷却などを検討することを明らかにした。【野上哲】