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【埼玉】双葉町民「仕事、夢 奪われた」 慰謝料増額を要求
東京電力福島第一原発事故で、避難中の福島県双葉町民が東電に損害賠償を求め、集団で原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた和解仲介手続きの第一回口頭審理が十三日、町民が避難する加須市の旧騎西高校で開かれた。町民がセンターの仲介委員に、避難生活の精神的苦痛などを訴え、慰謝料増額などを求めた。 町弁護団によると、申し立てをした百四十五世帯(五月末現在)のうち、旧騎西高などに避難する十二世帯が審理された。 出席した元大工の大川一男さん(57)は、長引く旧騎西高での生活で体調を崩し、不眠や頭痛、高血圧などに悩まされている実情を意見陳述。「仕事を失い、働く楽しみや将来の夢などを全部奪われた。生きる勇気と希望を持てるように、すべての避難者を平等に助けて」などと訴えた。 同じく避難中の元酒屋経営者幾田慎一さん(63)は意見陳述後、「金で解決したり、ぜいたくをしたいんじゃない。今までの生活に戻りたいが無理だ。せめて一日も早く人間らしい生活をさせてほしい」と話した。 精神的苦痛の証拠として、早稲田大学の辻内琢也准教授らによる避難者アンケートも提出された。 弁護団は審理後に会見し、慰謝料の目安を月額十万円とする原子力損害賠償紛争審査会の中間指針について「交通事故の入院を参考にしているが、被害実態からかけ離れている」と指摘。大幅に引き上げるよう求める声明を発表した。 (宮本隆康) PR情報
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