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沖縄発千羽鶴のエール 親子3人、仙台の仮設に贈る
 | 千羽鶴を手にする仮設住宅の住民たち。リボンには「一日も早い復興を願っています」などと書かれている=仙台市若林区 |
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 | 千羽鶴と一緒に届いた3通の手紙 |
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沖縄県の親子が折った千羽鶴が仙台市の仮設住宅に届いた。一羽一羽丁寧に折った鶴には、東日本大震災後の苦労を気遣い、励ます手紙が添えられていた。南国からの心温まる贈り物に、被災者は感謝の思いをかみしめている。 贈り主は那覇市の主婦宮城千佳子さん(41)と、高校3年の長女美彩貴(みさき)さん(17)、小学6年の長男愛妃(あいき)君(11)の3人。「遠く離れていても被災地のためにできることをしよう」と、震災から1年の節目に一緒に千羽鶴を折り始めた。 就寝前や休日などに作業し、約1カ月で2束、計2千羽を折った。1束を「姉がインターネットで被災地を検索し、たまたま連絡先を見つけた」(千佳子さん)という仙台市若林区役所に届けた。もう一つは那覇市社会福祉協議会の紹介で、いわき市社協に贈った。 仙台市の被災者に宛てて3人は手紙も書いた。「心から復興を願っています」(千佳子さん)「将来は皆さまのお役に立つことができたらいいなあと思っています」(美彩貴さん)「遠くはなれていても、みんなの心は一つだと思います」(愛妃君)−。 受け取った若林区役所は「できるだけ多くの被災者に見てもらおう」と、同区の卸町5丁目公園仮設住宅に届けた。小さな折り紙を使ったきちょうめんな折り鶴は住民たちを感激させた。震災で六丁の目の自宅アパートが全壊した無職三浦登さん(74)は「沖縄の方々の優しい気持ちが伝わってくる」としみじみ言う。 千佳子さんは「震災で苦しんでいる方がたくさんいるのに、何不自由なく暮らせる私たちは幸せです。被災地を思う3人の気持ちを届けることができてありがたく思っています」と話している。
2012年06月14日木曜日
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