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亘理AKBグッズ人気 被災自営業者ら販売 宮城
 | 「手芸部」の作業を見詰める亘理AKBの橋本代表(左から3人目) |
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東日本大震災で被災した宮城県亘理町荒浜の自営業者グループ「荒浜かもめブラザーズ」が、地元の名産や手芸品の製造、販売に力を入れている。ローマ字表記でグループ名の頭文字を取ると、国民的アイドルグループと同じ「AKB」。ユニークなネーミングが支援者の注目を集め、荒浜の知名度向上に一役買っている。 メンバーは、主に首都圏で行われるイベントに出店。亘理AKBの名称で、地元名産のイチゴや菓子のほか、被災女性が毛糸や着物などの生地を織り上げた巾着袋、携帯電話のクリーナー付きストラップといった手芸品を販売している。 グループは昨年10月、荒浜地区の自営業者7人が中心になって結成した。震災前はすし店、内装業、鮮魚店などを営んでいたが、津波で店舗はほとんど流失した。 橋本達也代表(48)は経営する建築会社が全壊し、創業者の父功さん(78)が犠牲になった。「いずれは荒浜に戻って会社再建を目指す自営業者が、それまでの活力を保つ活動の場がほしかった」と狙いを語る。 メンバーは荒浜復興への熱い思いと遊び心を持っており、ユニークな名称は昨秋、支援する東京の若手経営者団体と草野球をした際、急ごしらえで付けたチーム名に由来する。 ネーミングの反応は上々で、橋本代表は「物販ブースに興味を持ってもらえる」とにんまり。菊地礼子事務局長(57)も「領収書を書くときに恥ずかしいが、注目されるのはうれしい」と喜ぶ。 メンバーは現在、町の公共ゾーン仮設住宅に隣接する仮設商店街にある橋本代表の会社を拠点に活動。将来、アンテナショップを持つのが夢だ。 「人情が厚く、きっぷがいい荒浜商人の心意気で復興に取り組む」と橋本代表。“本家”に負けない熱いグループを目指す。手芸品は近く、インターネットでも販売する。連絡先は橋本建築0223(35)6163。
2012年06月14日木曜日
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