2011-10-10
【汚沢一郎被告】“剛腕”小沢、本当の病状…日本医科大学病院“厳戒”態勢
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“剛腕”小沢、本当の病状…日本医科大学病院“厳戒”態勢
2011.10.07http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111007/plt1110071148002-n1.htm
初公判後の記者会見に臨む小沢氏。この６時間後に緊急入院した＝６日午後５時半、衆院第２議員会館【拡大】
民主党の小沢一郎元代表（６９）が６日深夜、腰痛を訴えて東京都世田谷区の自宅から救急搬送された。永田町や霞が関では「吐いたようだ」「胸も痛がっていた」との情報が流れたが、小沢氏は７日午前、輿石東幹事長（７５）に電話をかけ、「お騒がせした。調べてもらったら尿管結石だった」と説明。同日昼、主治医も記者会見した。ただ、政治家は自らの病気を隠すことも多い。刑事被告人となった剛腕政治家の病状に注目が集まっている。
「腹部ＣＴなどの結果、『左尿管結石』と診断した。石は４ミリ。手術の必要はない。薬と点滴で自然排出に努めている。病名を伝えたとき、小沢氏はホッとしていた。今朝は元気で笑顔も見せていた。１週間程度の入院を予定している。裁判への影響については、本人に聞かないと分からない」
小沢氏の主治医である日本医科大学付属病院（文京区千駄木）の本間博医師は７日昼の記者会見で、こう語った。会見場には、約１５０人の報道陣が詰めかけていた。
尿管結石は腎臓でできた石が尿管に入り込む病気で、その痛みは強烈だ。原因は食生活が第１だが、ストレスも関係するといわれる。
「小沢氏が緊急入院した！」との衝撃の第１報が伝わったのは、日付が６日から７日に変わる直前。報道機関や政府与党の関係者は、小沢氏周辺や警察・消防当局への確認作業に追われた。
小沢氏が救急搬送されたのは６日午後１１時半ごろ。腰の左側に痛みを訴えて、和子夫人とみられる家族が救急車を呼んだ。小沢氏は歩いて救急車に乗り込み、救急隊員とも会話した。救急車が向かったのは日本医科大学付属病院。病院前には、多くの報道陣が駆け付けた。
この日、小沢氏は午前１０時から陸山会事件の初公判に臨み、異例ともいえる８分間の意見陳述を含めて、約４時間も出廷。午後５時半からは、新聞記者に逆質問を浴びせる怒りの記者会見を行うなど、過密スケジュールをこなした。ストレスも相当かかったはずだ。
同６時半から、港区赤坂の中華料理店「四川飯店」で、小沢グループの側近議員数人と会食。この時点で「横っ腹が痛い。疲れた」と話していたという。同９時ごろ帰宅し、その後、体調が悪化した。
政府・与党関係者からは「自宅で吐いた」「胸も痛がったらしい」「重篤ではないようだ」「仮病では」と、さまざまな情報が流れた。
尿管結石は、七転八倒の苦しみで起き上がれないほど痛く、脂汗も大量に流れる。一般人なら、救急車を呼ぶのも分かるが、民主党ベテラン秘書は「政治家は政治生命を守るためにも、病気や病状を隠そうとするもの。政敵に足をすくわれかねないからだ。運転ができる秘書や書生が近くにいる小沢氏がどうして救急車を呼んだのか。１週間程度の入院というのも、尿管結石にしては長い。裁判や記者会見の心労から、持病が悪化したのではないか」と話す。
政治家の病気といえば、故小渕恵三氏が首相在任中の２０００年４月に脳梗塞を発症して緊急入院した際、首相臨時代理要請に関する秘密を守るためか、詳細な病状が伏せられたことがある。
小沢氏は、自民党幹事長を退いた直後の１９９１年、その激務がたたってか狭心症を患い、１カ月以上にわたって入院した。この時も日本医科大学付属病院だった。
その後は「一病息災」を心がけ、たばこはきっぱり止め、食事のカロリー制限にも取り組み、好きなアルコールは「１日にビール１本、日本酒２合以内」に抑えてきた。
だが２００６年９月、臨時党大会で党代表に再選された直後に体調を崩し検査入院。健康不安説が再燃した。０８年１０月にも、「風邪をこじらせてのどを痛めた」として１週間入院している。
小沢氏に批判的な民主党参院議員は「入院が数日程度で済むなら、党内や政局に与える影響は小さい。入院が長引くことになれば、支持議員に動揺が走り、小沢氏の影響力は低下するだろう」との見方を示した。
陸山会事件の裁判は、来週１４日に第２回公判、年内には有罪判決を受けた元秘書らの証人尋問が行われる予定だが、小沢氏の体調次第で日程が変更される可能性がある。野党が要求している小沢氏の証人喚問など、今後の政局にも影響を与えそうだ。
先月２６日に、元秘書３人に有罪判決が言い渡された後、小沢氏は相当落ち込んでいたという。供述証拠が不採用となっていたため、「無罪」を期待していたのだ。このため、自身の裁判の打ち合わせや、ごく近い身内との会食以外は「事実上、引きこもっていた」（小沢氏周辺）という。
その後、岡本英子、笠原多見子両衆院議員ら「小沢ガールズ」の励ましなどもあり、いったんは元気を取り戻したが、やはり来年古希を迎える小沢氏には、国民注視の裁判はこたえたのか。
６日夕の記者会見で、小沢氏は「元秘書との共謀」「４億円の原資」といった裁判の焦点にはまともに答えず、「私自身、何らやましいこともないので、今後も頑張っていきたい」と語った。
激痛をこらえて、自らの潔白を証明することができるか。
■中原英臣氏の話（新渡戸文化短大学長、医学博士）
「尿管結石の症状は腎臓から膀胱にかけて石が詰まるため、腰回りを中心とした下半身に激しい痛みを感じる。石が出てしまえば治まるので、痛み止めと点滴を打ち、安静にしていれば、数日間で完治する。また、外から超音波で砕く治療法もある。小沢氏が、もう１つの症状として訴えた吐き気は、尿管結石という前提で考えれば、直接的な因果関係はなく、激しい痛みに伴って起きたものと思われる。もし、吐き気がいまも続いているようなら、別の疾患を疑う必要が出てくる」
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