6月に入り、県内で飲酒運転容疑による逮捕が相次いでいる。12日現在で10人。この中には、警察官や小学校教諭も含まれる。摘発基準を大幅に超えるアルコールが検知され、事故を起こすなど、悪質なケースが目立っている。
県教委が2010年3月に全教職員に通知した不祥事対策。飲酒運転対策の具体例を示しているが、今年5月までに11人の教職員が摘発された
県警によると、飲酒運転による摘発は今年5月末現在、159人。前年同期より123人減ったが、逮捕者は6人増の45人。
6月に逮捕されたのは、酒気帯びが9人、酒酔いが1人。うち、8人は追突や自損事故を起こした。呼気1リットル中のアルコール0・15ミリグラム以上が摘発基準だが、10人中8人が0・50ミリグラム以上だった。
3日は多良木署に通勤中の男の警部補(55)が、9日には、熊本市で市立田底小の男の教諭(50)が酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕された。いずれも前の車に追突し、基準の3倍以上のアルコールが検知された。
県警は「厳罰化で飲酒運転の総数は減っているが、悪質な違反は後を絶たない。飲酒した翌朝、アルコールが残った状態での事故も増加傾向だ」と話す。
教職員の飲酒運転については、県教委が2010年3月、防止策を各学校に通知したが、その後も今年5月までに11人が摘発されている。
アルコール分解には、どれだけの時間がかかるか。アルコール健康医学協会(東京)によると、「個人差や体調にもよるが、1時間に分解できるのは、体重1キロあたり0・1グラム程度」という。体重70キロの人がビールを500ミリリットル飲むと、3時間かかる計算だ。同協会は「量にもよるが、午前0時まで飲めば午前8~9時でもアルコールが残る可能性がある」と指摘する。
酒気帯び運転で事故を起こした場合、死亡事故になる確率が通常時より9倍、酒酔い運転では30倍高くなるとの警察庁の調査データもある。
県警交通企画課は「翌日の通勤など、運転の予定があれば飲みすぎには十分注意を。家族ら周囲が注意を促すことも重要だ」と呼び掛けている。(高橋俊啓)
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