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自民宮城県連衆院選候補5・6区公募 他選挙区にも波及か

自民党宮城県5区支部が実施した候補者公募の最終選考会=5月26日、石巻市内

 次期衆院選に向け、自民党宮城県連の5区、6区両支部が行う公認候補の公募が、県連組織内に波紋を広げている。県内のほかの4選挙区は公認候補が確定済み。現段階であえて公募に踏み切る動きは出ていないが、選挙区によっては容認論が強まる可能性がある。果たして「公募の自民」で党の存在感を打ち出せるか。各支部内には期待と警戒が交錯している。(報道部・加藤健太郎)

 「(自分を含め)現職がうかうかしていられないほどの人材が集まった」。5月26日、石巻市内で記者会見した小野寺五典県連会長(衆院宮城6区)は公募の成果を強調した。
 同日、5区支部は宮城5区の候補者となる新支部長に大学研究員大久保三代氏(35)を内定した。5区は民主党の安住淳財務相(50)の地元。低調な応募が懸念されたが、県内外の10人が応じ、「驚くほどの反応だった」(県連幹部)という。

<「広がればいい」>
 小野寺氏が議席を持つ6区も選考作業は大詰め。13日に応募を締め切り、6月中に決定する。
 6区の公募は小野寺氏の強い意向で決まった。党内には「結果ありきのパフォーマンス」(党ベテラン県議)と冷ややかな見方があるが、小野寺氏は「民意を受けた人物が候補者になるのが望ましい。全国に公募が広がればいい」と意に介さない。
 公募の実施は各支部長の判断に委ねられ、宮城1〜4区で予定はない。公認候補となる支部長の一人は「党から公募をしろという指示はない。淡々と準備を進めるだけだ」と冷静に受け止める。
 陣営関係者も「何でも公募はいかがか。客観的に見て、勝てる候補を外してしまう危険もある」とくぎを刺す。
 これに対し、一部の支部幹部からは「公募容認論」も飛び出す。中堅県議は「震災復興に追われ、支部内には停滞感がある。現支部長で戦うにしても、公募を経て一体感を高めるべきだ」と言う。別の幹部は「支持者から党候補の顔が見えないと言われる。公募で候補者に刺激を与えないと、民主党現職に水をあけられる」と話す。
 小野寺氏は10年の参院選宮城選挙区(改選数2)で、4選を狙った現職がいながら公募を実施した。無所属で立候補した現職は落選し、新人の熊谷大氏(37)を当選させた経緯がある。

<支持票を固める>
 熊谷氏は「選考を通して多くの党員に認めてもらった。県連がまとまった意味は大きかった」と党支持票を固める決め手になったと強調する。
 ただ、参院選は2議席を争ったが、衆院選は1議席をめぐる戦い。全県選挙と小選挙区の違いもあり、公募効果は未知数な側面もある。
 さまざまな思惑が広がる現状について、小野寺氏は「党本部は現職がいる支部での公募を認めていないが、党の支持者、有権者に意見を聞くのは民主主義の根本。公募の方向性は間違いではない。議論することが、結果的に強い候補者を生むことにつながる」と話す。


2012年06月12日火曜日


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