福井県おおい町の関西電力大飯原発３、４号機の再稼働問題で、同町の時岡忍町長は１４日、町議会全員協議会で「おおい町として容認することを決定した」と報告し、同意を表明した。県議会も同日午前１０時から全員協議会を開き、各会派が順に西川一誠知事に対して意見表明を始めた。一部会派は再稼働に反対しているが、県議会の大半を占める自民、民主は賛否を明らかにせず、西川知事に事実上、判断を一任する。西川知事は県議会の意見を踏まえ、１６日までに再稼働への同意を野田佳彦首相に伝える。

　時岡町長はこの日の町議会全協で、容認の理由として▽野田首相が国民に、原子力発電に対する強い思いを語った▽県原子力安全専門委員会が政府の判断基準を妥当と評価した▽大飯原発の特別な監視体制が構築される▽町議会が苦渋の選択として再稼働を容認した▽立地町としての責任を果たすべきだという思いがある−−を挙げた。

　時岡町長は、町の判断を１４日中に西川知事に直接、伝える方針。再稼働問題を巡っては、時岡町長が先月７日、議会に対し、住民の意見を集約して同意の可否を判断するよう要請。議会側は作業部会での協議を重ね、同１４日に再稼働容認を回答した。