平和主義や基本的人権などの根本理念は大切にすべきですが、戦後60年以上経っても国の統治制度を変えられない国も珍しい。憲法の中には、「通常国会は150日」など、あってもなくてもよい規定まであります。こうした現状を変えられないのは、政治の怠慢だと思います。
第二に、電力の直接輸入制度の創設。電力については、供給制度を変えて、海底ケーブルを引けば、外国からいくらでも直接輸入できます。各国の電力消費量のピークは、時差があるから全部違う。ある一定時点で見れば、電力は常に世界中で余っているのです。
すでに欧州では取り組みが進んでおり、英国とオランダは海底ケーブルでつながっています。日本だって、北海道と青森は海底ケーブルでつながっている。だから、物理的にできない話ではありません。
私の言うことは「過激だ」とお叱りを受けることもありますが、今までと同じことをやっていたら、日本は衰退していくだけ。今の日本の状態は、「先進国病」にかかっているとも言えます。古い殻を破らないと、衰退を止めることはできないでしょう。
早い段階から政策提言を打ち出した
自分のポリシーを主張していくだけ
――今回の代表選に国民が望むことは、候補者たちが真摯に政策論を戦わせること、その政策の優劣によって次期代表・首相が選出されることです。しかし現状を見ると、政策論争があまり重視されずに、民主党内の力学だけで物事が進んでいる側面が強いように感じられます。
私に関して言えば、早い段階から政策提言を打ち出しています。しかし世間には、「候補者が誰も政策を発表しないから、誰がよいのか判断できない」という先入観があるため、誰も政策論争を行なわないというイメージが強いのかもしれません。
一方で、政治には権力闘争の部分があるのも確かです。それらを全てなくそうという考え方は、残念ながら「ないものねだり」なのかもしれません。そもそも上質な国家は、上質な政治家によって築かれるものなのでしょうが。
――最後に、代表選での勝算はありますか。
現時点では、何とも言えません。海江田(万里)さんが出馬をとり止め、鳩山・小沢(一郎・前民主党代表)連合が協力してくれれば、勝算はかなり高くなりますが、まだ確証は得られていません。私は、自分のポリシーを主張していくだけです。