従来のネットを利用したリサーチでは、ある特定の条件(例えば「○○という商品を購入した」など)に当てはまるサンプルに調査(スクリーニング)を行いたい場合、その条件に当てはまるかどうかは自己申告であるケースが多く、必ずしも正確なスクリーニングができなかったという。
Tリサーチは、同社が運営する「Tサイト」の有効会員のうち、約800万人をリサーチ可能な対象として構築されており(2011年10月末現在)、これらの会員に対して「確実な購買履歴をもとにしたリサーチ」ができるという。またこの会員組織に属するサンプルの大部分は、入会時に本人確認証の提示が必要なTSUTAYAのレンタル会員であることから、「登録者属性データの信頼度も高い」(山本氏)という。
これにより、例えば消費者の購買履歴だけからは分からない「離反者の原因調査」や「再購買に関するリサーチ」などを行うことで、より効果の高い対応施策の検討に役立てられるとした。Tリサーチでは現在、各アライアンスパートナーごとの「企業別モニタ」を構築しているが、今後はこれに加えて会員全体を「車」や「化粧品」といった、さまざまなカテゴリ別の「バリュアブルモニタ」として組織し、多様な調査ニーズに応えたいという。
山本氏は最後に聴講者からの質問に答え、アライアンスコンサルティング研究所における今後の目標として「横串での分析を可能にしていきたい」と述べた。現状では各提携先ごとのデータに対して分析を行っているが、ここで言う「横串」とはつまり、「提携先全体のデータを共有し、組み合わせて分析する」ことで、より深い知見を得ようとする取り組みだ。ただし、この環境の実現には技術的な面で、膨大な量になるデータを処理するためのリソースをどう確保するかという課題があるとした。
「そうした分析を行おうとすれば、大量の変数を横に並べて一斉に処理する必要がある。つまり、商材が増えれば増えるほど、分析の負荷は増大していく。実用的なレベルで分析を行うためにはどのようなハードウェアなどを選択すべきかについて検討中だ」(山本氏)
また最近では、こうした個人のIDとひも付けられた購買履歴、サービス利用履歴の組み合わせは、広義でのプライバシー情報や個人情報として、慎重に扱われるべきではないかといった議論もある。実際、このセッションでも来場者より「購買履歴に基づいた分析やレコメンドを行うことで、消費者が警戒感や嫌悪感を覚える恐れもあるが、それを軽減するための方策はとっているか」との質問がなされた。
山本氏はこれに対して「社内規定で、例えば保険やローン、金融商品、プライベートな一部の日用品など、“デリケートな商品”に関するデータは分析に使えないよう、ルールが設定されている」と回答した。
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