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【社会】

公立図書館 楽しめます 23区、民間委託が8割超

2012年6月12日 13時56分

館内のカウンターで靴を磨いてもらう利用者(右)=東京都千代田区の千代田図書館で(同図書館提供)

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 東京で公立図書館運営の民間委託が進んでいる。二十三区は計二百二十三館のうち百八十二館(82%)が導入。全国の公立図書館の委託率23%と比べて突出している。民間委託は従来の図書館になかったサービスを生み出し、利用者増につながっている。一方で、地域に関する資料の収集など、貸し出し以外で図書館が果たす機能の低下を心配する声もある。 (山内悠記子)

 千代田区役所の九、十階にある区立千代田図書館。フロアの一角の半円形のデスクに、女性が控える。「図書館コンシェルジュ」。ホテルなどで一般的になった総合案内係で、来館者のさまざまな要望に応える。

 図書館の案内や蔵書検索は当たり前。急ぎで必要な本のバックナンバーが貸し出し中なら、手に入りそうな区内の古書店を紹介する。調べものの途中でおなかがすいたら、飲食店も探してもらえる。観光案内だってOKだ。月に一度は、港区南青山に店を構える熟練職人の靴磨きコーナーまで登場する。

 運営を委託されたのは、音楽ホール運営の実績を持つサントリーグループなどの共同企業体で、六年目になる。「地域に根ざしたサービスで需要を満たしている」と担当者。

 府中市立中央図書館は、図書館向けの書籍販売などを手掛ける企業「図書館流通センター」に運営委託し、蔵書約八十三万冊にICタグを付けた新しい検索システムを導入した。利用者はパソコンで事前予約し、館内の専用端末にカードを入れると、お目当ての本のある棚のライトが光って場所を知らせる。年間貸出冊数は委託前の約二倍になった。

 都外では、佐賀県武雄市が、ソフトレンタル店大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に市立図書館の運営を任せる方針を発表。委託後は年中無休で、午後九時まで開館。雑誌を販売し、カフェも併設する。年間約一千万円以上の運営費の削減効果も見込んでいる。

(東京新聞)

 

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