トップページ国際ニュース一覧中国から北朝鮮に特殊車両輸出か
ニュース詳細

中国から北朝鮮に特殊車両輸出か
6月13日 12時5分

中国から北朝鮮に特殊車両輸出か
K10057964411_1206131218_1206131231

去年8月、弾道ミサイルの発射台を兼ねたとみられる大型の特殊車両4台が、中国から北朝鮮に貨物船で運ばれていたことが海上保安庁などが入手した貨物船の輸出記録から明らかになりました。
日本政府は、大量破壊兵器の関連物資などを北朝鮮に輸出することを禁じた国連安保理決議に違反する可能性もあるとして、国連に報告することにしています。

海上保安庁や警察、税関などによりますと、去年10月、大阪港に入港したカンボジア船籍の貨物船を調査したところ、中国から北朝鮮に特殊車両を輸出したことを示す書類が見つかったということです。
それによりますと、貨物船は去年8月、中国の上海から北朝鮮のナンポに向けて「WS51200」という型番号の特殊車両4台を運んでいました。
防衛省の関係者によりますと、この特殊車両は全長がおよそ20メートル、幅は3メートル余り、重さが42トンで、車輪が16あります。
日本政府は、北朝鮮がことし4月の軍事パレードで公開した弾道ミサイルの発射台を兼ねた車両と同じ可能性が高いとみています。
中国からの輸出が確認されれば、大量破壊兵器の関連物資などを北朝鮮に輸出することを禁じた国連安保理決議に違反する可能性もあり、日本政府は、一連のいきさつについて国連に報告することにしています。

“輸出された”特殊車両は

中国が北朝鮮に輸出した特殊車両は、中国国防省系列の大手国有企業の子会社が去年5月に開発した「WS51200」という型番号の車両とみられています。
防衛省の関係者によりますと、車両の全長はおよそ20メートル、幅は3メートル余り、重さが42トンあるということです。
車輪は16輪あり、ことし4月、北朝鮮で行われた軍事パレードで公開された弾道ミサイルの発射台を兼ねた車両に極めてよく似ています。
この会社が製造した特殊車両は、中国で中距離弾道ミサイル「DF21」などの運搬にも使用されたことがあるということで、今回、輸出された車両も北朝鮮の弾道ミサイルの運搬や発射用の車両として使われている可能性があるとみられています。

官房長官“コメントは差し控える”

藤村官房長官は午前の記者会見で、「わが国として注目してきているが、個々の事案にかかる具体的な情報のやり取りなどについては、インテリジェンスに関するものでコメントは差し控える」と述べました。
そのうえで、藤村長官は一般論としたうえで、「仮にわが国が安保理決議違反の事案にかかる情報を得れば、関係国と連携して対処し、国連の制裁委員会で適切な対応が図られると考える。中国を含む国際社会が関連する国連安保理決議を着実かつ全面的に実施していくよう、引き続き関係国と緊密に連携して対応していく」と述べました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ