特別展告知
没後50周年記念企画
報道写真とデザインの父 名取洋之助 ― 日本工房と名取学校
ドイツで青春時代を過ごした名取洋之助(1910-1962)は、グラフ誌への写真寄稿をきっかけに
報道写真家となって活躍します。芸術ではなく、コミュニケーション手段としての写真やグラフィック
デザインの社会性を実感した彼は、1933年(昭和8)に我が国で初めて報道写真を標榜する制作
集団「日本工房(のち国際報道工芸、国際報道と改組)」を設立。木村伊兵衛、土門拳、原弘、
山名文夫、河野鷹思、亀倉雄策など若き写真家やデザイナーが参画して、欧米への写真配信や
清新なデザインで写真をまとめた対外日本文化紹介グラフ誌『NIPPON』の刊行などに邁進しました。
日中戦争から太平洋戦争までと重なる中で、戦時体制に組み込まれながら理想の実現に奮闘した
名取たちの仕事は、日本の写真・デザイン界の源流となったのです。終戦後の名取は、日本の
『LIFE』を目指す『週刊サンニュース』や、1950年代の出版界に新風を巻き起こした『岩波写真文庫』の
編集に携わりました。三木淳、稲村隆正、岡部冬彦ら戦後世代の若き写真家やデザイナーたちが
仕事を通じて鍛えられ、編集現場は「名取学校」とも呼ばれました。
写真家として、また、プロデューサーとして、生涯を報道写真に捧げた名取洋之助が没して50年。
彼の仕事を一堂に会して、その功績を顕彰します。
会場 : 1階 特別展示室
日時 : 4月27日(金)~6月26日(火)
平日 10:00~20:00、土曜 10:00~19:00、日・祝 10:00~17:00
(最終入室は30分前)
入場料 : 一般 300円 、 大学・高校生 200円
千代田区民・中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその付添いの方1名は無料
※証明できるものをお持ちください。
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関連イベント
■トークイベント (1)「名取と仲間たち」
出演者: 白山眞理(日本カメラ博物館運営委員)、堀宜雄(福島県立美術館主任学芸員)
日 時: 5月12日(土)14:00-16:00(開場13:30)
会 場: 日比谷図書文化館 地下1階 大ホール(コンベンションホール)
定 員: 200名(先着順・定員になり次第締め切り)
料 金: 無料 (要事前申込)
(2)「報道カメラマンの仕事」
出演者: 花井 尊(東京写真記者協会事務局長、元朝日新聞写真部長)
冨田晴海(共同通信社 ビジュアル報道センター 写真部次長)
日 時: 5月20日(日)13:30-15:00(開場13:00)
会 場: 日比谷図書文化館 4階 小ホール(スタジオプラス)
定 員: 60名(先着順・定員になり次第締め切り)
料 金: 500円
※参加ご希望の方は、当館1階受付、または電話(03-3502-3340)、Eメール(college@hibiyal.jp) にて、講座名、お名前(よみがな)、お電話番号をご連絡ください。
■ギャラリートーク
6月2日(土)14:00より、本展監修者である白山眞理氏が展示解説を行います。 (予約不要、当日特別展示室に直接お越しください)
■館内クイズラリー ぐるり写真めぐり 特別展にちなんだ館内の蔵書や展示に触れる館内クイズラリー。 正解された方に1階カフェおよび地下1階レストランで使える割引チケットを差し上げます。 是非チャレンジください!
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名取洋之助 略歴
1910-62年。東京生まれ。慶応義塾普通部卒業後ドイツに渡り、ミュンヘンの私立美術工芸学校で
商業美術を学ぶ。1931 年、グラフ雑誌に寄稿した写真が採用され、ウルシュタイン社契約写真家と
して活躍。1933 年、東京に拠点を移して日本工房を結成し、報道写真をデザインで伝える
『NIPPON』や『COMMERCE JAPAN』などの対外宣伝グラフ誌の制作・刊行を指揮した。
1940年、東京に名取書店を創設。上海に移住し1941 年には現地で太平印刷出版公司を経営して
文学出版にたずさわった。1946年に帰国。
以降、国内向けグラフ雑誌『週刊サンニュース』、『岩波写真文庫』(全286冊、1953年に菊池寛賞
受賞)の編集・制作を行ない、晩年は中国の麦積山やアルプスのロマネスクをテーマに撮影を重ねた。
1954 年に日本写真協会賞功労賞受賞。
作品集に『GROSSES JAPAN (DAINIPPON)』(カールシュペヒト社、1937)、『麥積山石窟』(岩波書店、
1957)、『ロマネスク 西洋美の始源』(慶友社、1962)ほか。著書に『新しい写真術』(慶友社、1955)、
『写真の読み方』(岩波新書、1963)などがある。