ニュース詳細
白熱電球 製造販売自粛を要請6月13日 18時4分
K10058070411_1206131815_1206131819
夏の節電対策の一環として、政府は、消費電力の大きい白熱電球の製造と販売を自粛するよう、メーカーや量販店などに要請しました。
白熱電球は、ガラスの球の中のフィラメントと呼ばれる細かい糸のような形をした抵抗体が電気を通すことで、高温になって光を放つもので、国内では去年１年間に４３００万個が製造され、家庭などで広く利用されています。
しかし、消費電力が大きいことから、政府は、この夏の節電対策の一環として、白熱電球の製造と販売の自粛を求めることにしたもので、１３日は環境省の横光副大臣らが照明メーカーや量販店など業界団体の会合に出席し、製造・販売を自粛するとともに、節電効果の高いＬＥＤ電球などの生産や取り扱いを増やすよう、異例の要請を行いました。
環境省によりますと、ＬＥＤ電球は白熱電球の１０倍ほど値段が高い一方で、消費電力はおよそ８分の１で４０倍長もちするということで、現在国内で使われているすべての白熱電球をＬＥＤ電球などに切り替えれば、年間５０億キロワット時、１４０万世帯分の消費電力が節約できるとされています。
白熱電球を巡っては、東芝グループや日立グループのメーカーがすでに製造を中止しているほか、パナソニックもことし中をめどに製造を中止する予定だということです。
政府は今後、消費者に対してもＬＥＤ電球などの利用を呼びかけていくことにしています。
ここ５年で出荷数は半分以下に
照明メーカーで作る「日本電球工業会」によりますと、白熱電球の出荷数はここ最近減少し続けており、去年は４３００万個と、５年前と比べても半分以下に減っています。
一方、ＬＥＤ電球は平成２１年から本格的に出荷が始まり、去年の出荷数は２４００万個に上っていますが、依然として白熱電球の出荷数のほうが多くなっています。
東京・池袋にある大手家電量販店では、ＬＥＤ電球の広い売り場を設けて大々的にＰＲしていて、特に震災事故以降はＬＥＤ電球の売り上げが増えているということです。
一方、白熱電球を買い求める人は徐々に減ってきているということです。
買い物客の８０代の男性は、「わが家は高齢者が多く、電気をつけっぱなしにすることがあり、少しでも消費電力を少なくするために、これからはＬＥＤ電球を買いたい。特に白熱電球へのこだわりはありません」と話していました。
また、６０代の女性は「ＬＥＤ電球は電気代が安くなるところと長持ちするところが魅力ですが、もうちょっと安くなるとありがたいですね」と話していました。
照明器具の売り場の担当者は、「ＬＥＤ電球は震災以降、特に節電という形でお客様の需要と関心が高まっています。しかし、今使っている白熱電球を店舗に持ってきて、同じ品物を使いたいと希望される人や、値段を抑えたいという人は、白熱電球をご購入される傾向があります」と話しています。
メーカー“ことし中に製造中止”
政府による白熱電球の製造と販売の自粛要請を受けて、照明メーカー側は、ことし中には業界としても白熱電球の製造中止を目指すとしています。
省エネ家電製品の普及を目指している家電メーカーや消費者団体で作るフォーラムの代表を務める「東芝ライテック」の恒川真一取締役は、「ことし中にはメーカーとしての自粛が完了すると思っている。当初は価格が高いことからＬＥＤ電球の普及は進まなかったが、最近は、長い目で見れば電気代が安くなることなど、ＬＥＤのよさが理解され、今後、より普及していくことに自信を持っている」と話していました。
また、白熱電球の製造を続けているものの、ことし中をめどに中止を予定している、パナソニックエコソリューションズ社の松蔭邦彰副社長は、「政府の要請は前向きに捉えたいと思っている。白熱電球はニーズが高いため、製造を続けているが、ＬＥＤという新しい技術で、光の質と消費者の満足度を上げる一方で、コストは下げ、買い求めやすい電球を開発していきたい」と話していました。
［関連ﾆｭｰｽ］
|
［関連リンク］ |
|