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コメの民間輸入、過去最高=高関税でも需要、震災も影響

コメの民間輸入、過去最高=高関税でも需要、震災も影響

 民間による外国米の輸入が増えている。財務省の貿易統計によると、2011年度は前年度比85.8%増の461トンと08年度と並び過去最高となった。国内農家を保護するため、輸入米には778%(精米、従価税換算)と極めて高い関税を課している。国産米の価格が高止まりしている中で、根強い需要があることが浮き彫りになった。環太平洋連携協定(TPP)参加問題など貿易自由化をめぐる論議にも影響を与えそうだ。
 政府は国際公約に基づき、国家貿易として外国産米(ミニマムアクセス米)を年77万トン程度輸入している。これとは別に、高い関税を払えば誰でも自由に輸入できる。
 民間輸入の内訳を国別に見ると、タイが27.7%増の235トンとほぼ半分を占めたほか、米国が5倍の180トンに急増した。800万トン程度に上る国内需要に占める割合はごくわずかだが、外食産業などが利用したとみられる。
 農林水産省は国家貿易による輸入の大半は加工食品や飼料用などとして民間に売り渡し、主食用は年10万トン程度にとどめている。昨年度の主食用の入札には16万トンもの応札があり、「大変厳しい入札だった」(関係者)とされる。落札できなかった業者などが高い関税を払って輸入したとみられる。
 コメ市場をめぐっては、東日本大震災後に品薄となった影響で国産米の価格が上昇。牛丼チェーンや大手スーパーなどが割安な輸入米を求め、政府の外国産米入札に殺到した経緯がある。(2012/06/13-15:11)


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