韓国の医師10万人余りが加入する大韓医師協会が、政府の診療報酬包括払い制度施行に反発し、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科などで7月1日から手術を拒否する方針を固めた。この決定が実行に移されれば、前代未聞の医療混乱が起こると予想される。
大韓医師協会のソン・ヒョンゴン・スポークスマンによると、盧煥圭(ノ・ファンギュ)同協会会長と外科など4科の開院医師会会長は12日に会合を行い、包括払い制度が全面的に施行される来月1日から、同制度の対象となる7疾患の手術を拒否することで意見をまとめたという。眼科医師会はすでに、来月1日から1週間、白内障の手術を行わないことを決定している。
包括払い制度は、医療サービスの量や質に関係なく、特定疾患に定額の報酬が支払われる制度で、白内障、へんとう、盲腸、脱腸(そけいヘルニア)、痔(じ)、子宮手術、帝王切開による分娩(ぶんべん)の7疾患が該当する。政府は過剰診療の抑制と医療費(健康保険財政)の削減を目的に、同制度の実施を決めた。
ソン・スポークスマンは「包括払い制度は定められた金額に合わせて診療することになるため、医療の質が落ち、むしろ患者が被害を受けかねない。医師たちの意見を無視した制度の施行は、決して受け入れられない」と話した。
また「手術を行わない期間などは各科の医師会に一任するが、生命にかかわる救急患者については、手術拒否の対象から外すことが望ましいという意見で一致した」と説明した。
これに対し保健福祉部(省に相当)関係者は、医師団体の集団手術拒否は明白な違法行為だとし、厳しい法的制裁を加える方針だと話している。