オーストラリア戦に向け、調整する本田と香川(右)=ブリスベーンで(共同)
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【ブリスベーン(オーストラリア)松岡祐司】ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第3戦・オーストラリア戦(12日)を前に、同予選2戦4発の日本代表MF本田圭佑(25)=CSKAモスクワ=が10日、「新時代の幕開け」を宣言した。06年W杯ドイツ大会以降、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ監督の4体制下で行われた5試合で90分間での勝利ゼロのライバル決戦に向け、本田は「日本にとって新しい挑戦」と語り、敵地で豪州を真っ向勝負でごう沈させる考えを明かした。チームは10日午後、冒頭25分間以降は非公開で初練習を行った。
その口調は、静かに淡々と。でも、本田の両眼だけはギラついていた。快勝、大勝で迎えた日豪決戦。場所は真冬のブリスベーンに移ったが、臨戦態勢は決して解かない。
「今回はアウェー。ピッチも含めて、いろいろな面で日本は挑戦しないといけない。それ(敵地の環境)に臆することなく、日本らしい戦いをしたい」
敵地なら引き分けで御の字−。そんな想定はさらさらない。泥くさく勝つ−。それでも物足らない。マグマのように熱く、赤々と燃え盛る本田流の心意気とはこうだ。
「この試合は必ず難しい試合になる。日本にとって新しい挑戦、意味のある試合になる。相手の土俵ではなく、自分たちのサッカーを貫きたい」
対豪州では、日本は負の歴史を抱えている。昨年1月のアジア杯決勝では、延長の激闘の末に辛くも勝ったが、W杯ドイツ大会1次リーグで敗れて以来、5試合で90分間での勝利はゼロ(●△△●□)。そんな天敵はアジアには豪州を置いて他にない。だからこそ、圧倒する。完膚なきまでにたたく。それが敵地であれば、なおさらだ。
昨年9月に右膝を手術した。長期の離脱を繰り返し、実に9カ月ぶりに果たした代表復帰。いまだに患部に残る痛み、違和感と格闘しながら、「このくらいだったら、まだやれる」と回復&発展途上の男が掲げる日本サッカーへのけなげな思い。今野は「アウェーだけど相手には合わせない」と言えば、遠藤は「どこが相手でも自分たちのサッカーをやるだけ」と即座に呼応した。最終予選3連勝へ、ニッポンが「オージー軍団」をごう沈させる。 (松岡祐司)
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