ゴール前で存在感を見せる巻(中)=飛騨市の飛騨古川ふれあい広場で
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名古屋グランパスのFW巻佑樹(27)が12日、オーストラリア代表FWケネディからのポジション奪取を誓った。ケネディ不在の飛騨古川キャンプではセンターフォワードとして主力組で起用され続けているが、キャンプ限定の“代役”で終わるつもりはない。リーグ再開の鹿島戦(16日・カシマ)での先発出場に向け、13日の岐阜経済大との練習試合で最後のアピールをする。
陽気なムードメーカーに、飛騨の地で最大のチャンスがやってきた。今キャンプでは終始センターフォワードとして、サイド攻撃のフィニッシャーを任されている巻。この日午前の戦術練習でも、敬愛するDF闘莉王からポルトガル語で頭を意味するニックネームの「カベッサ! カベッサ!!」と檄(げき)を飛ばされながら、必死に体を張り続けた。
2年連続得点王のケネディに対し、巻はJ1通算51試合3得点。しかし、追い風は吹いている。慢性的な腰痛に悩まされているケネディは、オーストラリア代表として8日のオマーン戦に続いて、この日の日本戦も不出場。さらに鹿島戦までの長距離移動を含む中3日と、調整は困難。キャンプで連係を詰めてきた巻にとっては、ポジションを奪い取る千載一遇のチャンスだ。
「そのつもりで準備はしている。チャンスが来たらしっかり結果を出したい」。そう意欲をほとばしらせた巻にとって、13日の岐阜経済大戦は試金石となる一戦。「点を取る姿勢を強くアピールしたいし、みんなにも強く意識してもらいたい」と、FWとして周囲を納得させるつもりだ。
キャンプ前のわずかなオフには闘莉王、小川と3人でハワイに出かけ、気分転換も図った。「前半戦はみんな楽しんでやれていなかったけど、キャンプに入ってからは雰囲気もいい」と実感。逆襲の夏へ、巻がチームを変える。
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