俳画の創始者として知られる与謝蕪村(1716−83)が杉の扉に描いた2枚1組の「杉戸絵」が4日までに、茨城県結城市の民家から見つかった。調査に当たった同県立歴史館によると、蕪村が茨城県結城、下館地方を拠点に活動していた1742−51年に描かれたものとみられる。
蕪村が俳画のスタイルを確立したのは、晩年の丹後時代(1754−57年)とされてきたが、同歴史館は「俳画の原点をさらにさかのぼる貴重な資料」としている。
杉戸絵は、高さ約165センチ、幅約80センチの淡彩画。仙人のような中国人風の装束の男3人が岩の上に座り、日本の僧侶の着物をまとい筆を手に思いにふける俳人風の男と対話している。