2012.6.13 05:05

大荒れ両軍、イエロー7枚レッド2枚(2/2ページ)

肉体の接触でも負けていなかった。香川(上)は体を張ったプレーで貢献。ゴールはなかったが、アウェーで勝ち点1を奪った(撮影・吉澤良太)

肉体の接触でも負けていなかった。香川(上)は体を張ったプレーで貢献。ゴールはなかったが、アウェーで勝ち点1を奪った(撮影・吉澤良太)【拡大】

 敵地で強豪・豪州を追い詰めながらのドロー。ザッケローニ監督は悔しさをにじませた。

 「われわれは常に勝つ努力を続けるチーム。当然勝ち点9を目指していた。先制する形を作れたので、残念というほかない」

 W杯最終予選で3戦目にして初となるアウェー戦。会場のブリスベーン競技場は9日にラグビーの豪州-ウェールズが行われた上、3日連続の雨で荒れ、得意のパススピードは生かせずじまい。それでも後半10分に相手はDFミリガンが警告累積で退場となると、同20分にDF栗原が先制弾。完全に流れを引き寄せていた。

 しかし、不可解と思える審判の判定もあり、イエローカード7枚が乱れ飛んだ。「レフェリングに関しては答えかねる」と指揮官は冷静に応対したが、次のイラク戦はDFの内田、栗原、今野の3人が出場停止。最終予選3試合で1失点と堅守を誇った最終ラインが、ごっそり抜ける代償も払った。

 それでも「DFラインには高いクオリティーを持った選手がそろっている。心配していない」とキッパリ。「勝ち点7の事実より、いかに勝ち取ったかというプロセスが重要」と、敵地でPKによる1失点にとどめた戦いぶりを評価した。

 徹底した情報管理の一方で選手を信頼し、持てる力を引き出した采配を日本協会は高く評価。10年9月に2年契約を結んだが、「続投に何の問題もない」とある協会幹部は明かし、9月の契約更新は確実となった。

 試合後、バスに乗り込む直前にザッケローニ監督は協会関係者の背後から両肩を抱え、飛び蹴りをするまねをした。公の場ではなかなか見せることのなかったおちゃめな一面に、安堵(あんど)の様子がうかがえた。9月に再開する最終予選へ向け、つかの間の心地よい時間に酔う。

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(紙面から)