客観的実態と異なる
草津の医療観察病棟
県監査委に住民主張
草津市の県立精神医療センター内に、県が2013年度の開設を予定する触法精神障害者施設「医療観察病棟」が建設に必要な許可を受け
ておらず違法として、反対住民らが建設費など13億円の公金支出差し止めを求めた住民監査請求で、県監査委員は11日、住民と県の双
方から意見聴取した。
住民側は、病棟が医療センターに分離していると指摘し「建築確認申請の工事種別に『新築』ではなく『増築』として申請したのは客観的実
態と異なる」として、客観的実態に合う申請を前提とする建築基準法に違反すると主張した。
住民側は「県が住民の合意なしに計画を進めてきた」「説明会で住民に事実と異なる説明をした」と県を批判。地域自治会や自治連合会が
反対している中で、建設されれば県民に多大な損害が生じるとして、支出の差し止めを求めた。
県側は「センターの敷地内に建設し、センターと連絡通路で結び、機能的にほぼ同じで管理も一体的に運営することから増築と判断した」
と反論した。地元説明会に触れ、29回開き「誠意ある説明をした」と述べた。
県監査委が住民監査請求を受理した人数は1、2次合わせて計2624人。地方自治法は請求時から60日間の判断を規定しており、県監
査委は7月13日までに一次請求分の判断を示す。