
高速鉄道だけの定時運行率を比較すれば高い国もある。写真の台湾高速鉄道は11年度、終着駅到着誤差5分以内なら99.87%だ
韓国の企画財政部は11日、民間の経営評価団に依頼して実施した「11年度公営企業サービスのグローバル競争力評価」の結果として、韓国の鉄道・空港の正確・安定性は世界最高水準にあるとした。
同評価によると、韓国鉄道公社は運営する韓国高速鉄道(KTX)定時運行率は99.8%と国際鉄道連盟(UIC)が定時運行率を発表している6カ国中、台湾99.2%、チェコ94.2%、イタリア90.8%、フィンランド81.7%、フランス78.2%を抜いて1位を記録(企画財政部のいうKTXの定時運行は、終着駅到着予定時刻から遅れ15分以内のこと)。また、11年度KTX事故率(100万キロ当たり事故件数)も0.07件で、UICが鉄道事故率を発表している日本やドイツを含む12カ国中最も低かったという。
ただ、日本の国土交通省がまとめたデータによればJR東日本<9020.T>、JR西日本<9021.T>、JR東海<9022.T>、JR九州の10年度新幹線事故率は0.01件。その事故も11年3月11日の東日本大震災で回送列車が脱線したもの。そのことから韓国はKTXのみのデータだが、おそらく他国の評価は高速鉄道ではなく在来線を含んだデータのようだ。定時運行率にしても国によって基準が違いすぎるため(日本の新幹線なら1分以上は遅延)、比較することは難しく、例えば高速鉄道だけの比較なら台湾高速鉄道はKTXとほぼ同列になる。
日本にいると分かりづらいが、海外では列車の遅延は当たり前で、列車を利用する際はそのことを踏まえた行動が必要。鉄道の整備・維持管理、運行はその国の技術力を端的に示す物差しとなる。11年の訪韓外国人観光客は前年比11.3%増の980万人と、世界5大観光大国(フランス・米国・中国・スペイン・イタリア)平均の同4.3%増を上回った。企画財政部は鉄道以外に、仁川(インチョン)空港が国際空港協会(ACI)の実施した世界空港サービス評価(ASQ)から7年連続1位を記録したと自画自賛しており、この結果が韓国の高いサービス力によるものだということを示したかったようだ。