OD05の投資先一覧を見ると、中国が先進国になるためにどんな技術、ノウハウ、販路、資産を必要としているのか予測できるということだ。
一方で投資先に、トヨタ、日産、ホンダなどの自動車メーカー、ファーストリテイリング、任天堂など日本を代表するグローバル企業が入っていないのも気になる。「中国は自動車メーカーの技術力は欲していない」「任天堂などのゲーム機は、模倣が得意な中国では簡単にコピーできてしまうからいらないと思われている」と見る者もいるが、トレイダーズ証券執行役員で証券事業部長の藤本誠之氏は「油断は禁物」とも言う。
「いま投資先としてわかっているのは、公表義務のある大株主として登場している企業だけ。ここに挙がっている86銘柄以上の銘柄をすでに買っている可能性は十分にある。たとえば投資先に入っている新生銀行への投資額(時価総額)は30億円程度だが、企業規模が小さいため、その程度の額で大株主になっている。
大企業の多くはその程度の投資では大株主として名前があがらない。さらに買い増しが進めば、トヨタや日産、ホンダなどの大株主として突如、OD05が登場してもおかしくはないのです」
静観している場合ではない
いまや米国債を一番多く保有、ユーロ圏でギリシャやスペインなどの「暴落国債」を真っ先に買い集めているのも中国マネーにほかならない。潤沢な資金を元手に、世界中で存在感を強めているのだ。
「中国が米国債を売れば、米国経済は崩壊する。そのため、米国政府は中国に強くモノをいえなくなっている。ユーロ圏についても、同じような状況になっている。一方で日本に関しては国債の代わりに、株を買っていると見ることもできる。『何かあれば保有している株を売って、暴落させる』と圧力をかけることができるようになったからです」(藤本氏)
いま経済界ではOD05の話題に触れて、次のようなブラックジョークが語られている。
「数年後には経団連会長が、靖国神社に参拝しようとする首相や閣僚を土下座して止めることになる」
ただ一方で、買われている企業に話を聞くと、「多くの株式を持つ外資系ファンドはほかにもあり、中国系ファンドもそのひとつという認識です」(MS&AD HD広報担当者)、「大きく株数を増やされているわけでもないので、取り立ててこちらが対策をとるということはありません」(ソニー広報担当者)などとあまり脅威に感じていない。
「特にOD05を歓迎しているのは、東京証券取引所でしょう。日本市場は数年前まで外国のヘッジファンドなどが数百兆円も売買して活気に溢れていたのに、彼らが去って市場は沈滞ムード。東証は新しいマネーを呼び込もうと中国の機関投資家を集めて、東証見学などをさせていたからです。企業も似たようなもの。
投資先に入っている企業の幹部にOD05の話題を振ったところ、『どうしてチャイナマネーをそんなに恐れる? カネに色はない。買ってもらえるうちが華なんだ』と言っていた」(株式市場を取材する経済ジャーナリスト)
この警戒心のなさを、いずれ後悔することがないといいのだが。
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