【神奈川】放射性セシウム 国の基準値以下でも 給食食材 通知徹底へ
放射性セシウムが検出された県産冷凍ミカンを小学校給食に出し続け、対応が注目を集めている川崎市教育委員会は、食材に検出限界値以上の放射性セシウムが検出された場合、国の基準値を下回っていてもその都度、保護者に文書で通知する方針を決めた。保護者から「まず情報を知らせることが重要」と歓迎する声が上がる一方で、給食に出し続ける市の方針を批判する市議もいる。 (山本哲正) 市は六日、ミカンから放射性セシウムが検出された件と今後の通知方針をまとめた「お知らせ」を各小学校に送付。学校側がこの文書を各家庭に配る。 市教委は食材の産地と放射能検査結果を市のホームページで公表してきたが、冷凍ミカンの件で保護者らから「積極的な通知を」と求められ、応えた形。市教委によると「今回だけ、では整合性がとれない」とし、今後の通知方針も決めた。 保護者らでつくる「子供を放射能から守る会@川崎」は「保護者の声に応えてくれることで信頼関係を結べる」と喜んだ。 ただ「県産冷凍ミカンの検出値は一キログラム当たり九・一ベクレルで国基準の同一〇〇ベクレルを下回る。『給食に使用する食品が基準値に適合すれば安全性は十分に確保される』と国の見解があり、給食で使う」とする市教委の姿勢はそのままだ。今後も冷凍ミカンを六、七、九月に一回ずつ使用する。 猪股美恵市議(無所属)は「進歩は感じるが、横浜市などで保護者の不安を受けて県産冷凍ミカンの提供をやめたことなど、川崎市教委に不都合な情報はお知らせに記載していない」と指摘。「子どもには汚染が分かっているものをできるだけ食べさせないのが、大人にできること。物品契約があるとはいえ、市の食堂などで大人が食べる形の処理方法を探り、選択するべきだ」と話している。 PR情報
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