牧太郎の大きな声では言えないが…:「放送休止」を誰も言わない
毎日新聞 2012年06月12日 東京夕刊
テレビの情報番組は「エアコンを消そう!」と呼びかけるが、野村総合研究所が震災直後の昨年4月15日に発表した「家庭における節電対策の推進」というリポートによれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果は130ワット(1時間あたりの平均消費電力)。
ところが、液晶テレビを1台消すと220ワットが節電できる。節電効果はエアコンの約1・7倍だ。
かつて、第1次、第2次のオイルショックの時、節電のためテレビは放送を休止した。第1次の時は、NHK総合テレビが午後3〜4時台、教育は午後2〜5時台。深夜(午後11時以後)も放送を休止。民放も程度の差はあるが追随した。
原発反対!で正義の味方を演じているテレビ。安心安全な原発はない!と言い続けるのなら、節電のため、テレビは放送時間を減らすべきだ。
「(経済的な)痛み」を共有するのが「本当の放送の自由」というものではないだろうか?(専門編集委員)