牧太郎の大きな声では言えないが…:「放送休止」を誰も言わない
毎日新聞 2012年06月12日 東京夕刊
お隣・中国でも、人気テレビ番組は恋愛バラエティー? カメラの前に着飾った女性がズラッと並び、お相手を探す男性の性格、容貌、経済力、家系を“値踏み”する。
もろに「欲望」が赤裸々になって面白いが……低レベルになればなるほど、人気になるのは日本のテレビと変わりない。
しかし、中国は違っていた。
国家ラジオ・映画・テレビ総局は1月1日、厳しい番組規制を開始した。
中国には3000を超すテレビ局があるそうだが、規制を受けたのは全国放送をしている34の衛星放送局。「夜の娯楽番組は週に2本しか放送してはならない」と命じられた。その結果、娯楽番組は去年の126本から38本に激減。視聴率ランキングも禁止された。
「拝金主義的な番組」を放置できない!というのが中国共産党の言い分。自由がない「1党支配の国」は恐ろしい。
それに引き換え……日本のテレビ番組は自由奔放? 安い制作費で、低レベルの番組?を垂れ流している。
テレビに良心はないのか?とテレビ局の知人に“抗議”すると「そんなことは断じてない」。
そうだろうか?
良心があるなら、原発再稼働に本気で反対するのなら、テレビ局はこの夏、「無駄な放送」を休止すべきではないのか?