(1)岩手県選挙管理員会に提出された政治資金収支報告書が先日公表され、政治団体「改革フォーラム21」から小沢一郎氏が代表を務める資金管理団体「陸山会」は、同じく小沢氏が代表を務める政党支部(民主党岩手県第4区総支部)を介して、3億7000万円を受け取っていたのは、政党の政治資金を私物化していると指摘しておいた。
ここには、もう一つの問題があった。
それは、迂回献金の問題である。
(2)総務大臣に提出された政治資金収支報告書が公表され、新たに分かったことがある。
それは、小沢一郎氏が「陸山会」に3億7000万円を衆議院解散前日に貸し付け、2日後(衆議院解散翌日)にその返済がなされており、その返済は、前述の「改革フォーラム21」からの3億7000万円によって行われていたということであり、また、衆議院解散当日、「陸山会」は、小沢チルドレンに一人500万ずつ寄付していたということである。

(3)以上については、政治資金収支報告書で確認することができる。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SG20101130.html
「陸山会」の政治資金収支報告書
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/31400097.pdf
住所:東京都港区赤坂2-17-12 チェリス赤坂701
代表・小沢一郎
会計責任者・小原貞裕
事務担当者・馬場慶次郎
3頁:小沢一郎から3億7000万円を借入れ(2009年7月20日)
59頁:民主党岩手県第4区総支部から寄付3億7000万円(2009年7月22日)
76頁~80頁:小沢チルドレン89名の政治団体に500万円ずつ合計4億4500万円寄付(2009年7月21日)
86頁:小沢一郎に3億7000万円を返済(2009年7月22日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書では、代表は「小沢一郎」、会計責任者は「小原貞裕」と同じであるが、事務担当者は「池田光智」である。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013092.pdf)
4021 民主党岩手県第4区総支部の政治資金収支報告書
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/21syusihokokupdf/pdf/minsyu/kokkaigiin/4021.pdf
住所:岩手県奥州市水沢区袋町2番38号
代表・小沢一郎
会計責任者・小原貞裕
事務担当者・安倍克恵
15頁:改革フォーラム21から3億7000万円の寄付(2009年7月21日)
48頁:陸山会に3億7000万円を寄付(2009年7月22日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書は以下で見ることができる。
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/20syusihokokupdf/20syusihokokuitiran.xls
4021 民主党岩手県第4区総支部
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/20syusihokokupdf/pdf/minsyu/4021.pdf
代表は「小沢一郎」、会計責任者は「小原貞裕」、事務担当者は「安倍克恵」である。)
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SO0620101130.html
改革フォーラム21の政治資金収支報告書
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/13780007.pdf
5頁:民主党岩手県第4区総支部に3億7000万円を寄付(2009年7月21日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書は、以下である。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013303.pdf
2009年には平野貞夫氏が会計責任であったことが確認できる。)
(4)要するに、2009年7月20日(衆議院解散前日)、小沢一郎氏は、「陸山会」に3.7億円を貸し付け、 「陸山会」は、その翌日(衆議院解散)、小沢チルドレンに4.45億円を寄付していたのである。
また、「改革フォーラム21」は、同日(解散日)、政党支部に3.7億円を寄付し、当該政党支部は、その翌日(22日)に「陸山会」に3.7億円を寄付し、「陸山会」は、同日、小沢に3.7億円を返済していたのである。
カネの流れを表記すると以下である。
小沢一郎→→3.7億円貸付(7月20日)→→陸山会→→4.45億円寄付(7月21日)→→小沢チルドレン。
改革フォーラム21→→3.7億円寄付(7月21日)→→民主党岩手県第4区総支部→→3.7億円寄付(7月22日)→→陸山会→→3.7億円返済(7月22日)→→小沢一郎
つまり、小沢一郎氏は2日後に3.7億円を返済してもらっている。
これが可能だったのは、陸山会がすぐに小沢に返済できるカネを、改革フォーラム21が支部を迂回させて工面していたからである。
(5)ここで重要なことは、すでに紹介した新聞記事及び上記紹介記事によると、寄付する側と寄付を受け取る側が相談していることである。
「小沢氏の政党支部へ3億7千万円の寄付」(2010年11月26日05時03分 読売新聞)は、以下のように報じていた。
「また小沢!陸山会に「疑惑のカネ」億ション購入費用か?」ZAKZAK(2010.11.26)は、以下のように報じていた(共同通信の配信記事か)。
上記東京新聞の記事は、以下のように報じている。
(6)「改革フォーラム21」は、「陸山会」に3億7000万円を直接寄付することはできない。現行の政治資金規正法では、5000万円が寄付の上限であるからだ。
これに違反すると、寄付した側も受けた側も罰則がある。
もっとも、政党支部への寄付には、この制限がない。
そこで、小沢氏側は、「改革フォーラム21」側と相談して、政党支部に寄付をしてもらい、そのカネを当該政党支部から「陸山会」に移し、小沢氏への返済に充てたのである。
政党支部と陸山会の代表はいずれも「小沢一郎」で、会計責任者はいずれも「小原貞裕」であることも、重要である。
平野氏は適法というが、これは寄付する側とそれを受け取る側が相談して行ったと「自白」している以上、政治資金規正法が定めている量的制限を脱法して行われた迂回献金であり、違法献金なのである。
「陸山会」は、「改革フォーラム21」側と相談して、現行法では受け取れない3億7000万円を受け取っていたからだ。
小沢氏は小沢チルドレンに500万円ずつ配り、小沢氏の影響力を維持するためには、「陸山会」からそれを渡す必要があったのだろう。
政党支部だと、本部からの政党交付金が交付されているから、小沢氏の影響力を維持するためには、好ましくなかったのだろう。
このことは、上記読売新聞報道を読むと分かる。
一方、「陸山会」が小沢氏に3億7000万円を返済するには、どうしても「改革フォーラム21」からの迂回献金を充てにするしかなかったのである。
(7)違法献金の疑惑が生じた以上、かつ、政党のカネを私物化してもいる以上、小沢氏は説明責任を果たし、違法献金の疑惑を払拭し、私物化についての政治的・道義的責任を果たす必要がある。
ここには、もう一つの問題があった。
それは、迂回献金の問題である。
(2)総務大臣に提出された政治資金収支報告書が公表され、新たに分かったことがある。
それは、小沢一郎氏が「陸山会」に3億7000万円を衆議院解散前日に貸し付け、2日後(衆議院解散翌日)にその返済がなされており、その返済は、前述の「改革フォーラム21」からの3億7000万円によって行われていたということであり、また、衆議院解散当日、「陸山会」は、小沢チルドレンに一人500万ずつ寄付していたということである。
東京新聞2010年12月1日 朝刊
陸山会、89候補に各500万円 旧新生党資金が元手
政治資金収支報告書で、代表を務める政党支部から七千万円を超す寄付の未記載が発覚した小沢一郎・元民主党代表。昨年の衆院選直前には旧新生党の資金などを元手に、自身の資金管理団体「陸山会」から側近の現職や新人の候補者九十一人に計四億五千万円が分配されたことも判明した。政治団体間の寄付制限にかからないよう政党支部を迂回(うかい)させるなど、複雑な資金操作が行われていた。
報告書によると、陸山会からの寄付額は九十一人中八十九人が五百万円で、二人が二百万円。五百万円と二百万円の各一人を除き、衆院解散当日の昨年七月二十一日に提供され、残る二人にも衆院選前の八月十七日までに受け取った。
五十二人は新人候補で、現役組では鈴木克昌総務副大臣や松木謙公農林水産政務官ら小沢氏を支持する「一新会」のメンバーが名を連ねている。
寄付に先立ち、小沢氏関連の政党支部と陸山会などの間で資金のやりとりがあった。
まず解散前日の七月二十日、陸山会が小沢氏個人から三億七千万円を借り入れた。翌二十一日、旧新生党の資金を受け継ぐ政治団体「改革フォーラム21」が、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部に三億七千万円を寄付。同支部は二十二日、同額を陸山会に寄付し、陸山会はその日のうちに同額を小沢氏に返済した。
報告書上は、小沢氏が自らの資産から三億七千万円もの巨額資金を一時支出し、候補者への寄付を立て替えていたことになる。
改革フォーラムは小沢氏らが自民党時代、政策集団として設立。一九九四年の新生党解散時、国からの立法事務費五億円を含む九億二千万円の寄付を同党から受けた。二〇〇八年時点で六億九千万円の残高があった。
政治資金規正法では政治団体間の寄付の上限は五千万円。だが、政党は対象になっておらず、政党や政党支部を経由すれば億単位の資金を移動できる。
昨年九月まで改革フォーラムの会計責任者だった平野貞夫元参院議員は「自分が責任者になった〇七年ごろから、天下分け目の時、選挙資金に使うという話はしていた。第4区総支部への寄付は小沢氏の了解も得ている。この資金がなければ政権交代はなかった。迂回と言われようが適法な措置だ」と話している。
(2010年12月1日09時26分 読売新聞)
「小沢部隊」カネで形成、現金入り封筒手渡し
2009年の衆院選で、民主、自民党の実力者は自身の勢力拡大も念頭に、資金分配に奔走した。中でも集金力と分配額の多さで突出していたのが、民主党の小沢一郎元代表だった。
09年の政治資金収支報告書からは、自らの資金管理団体をめぐる事件で強制捜査を受け、「政治とカネ」で厳しい視線を浴びながらも、選挙戦で巨額を動かし、党内最大勢力である小沢グループの「中核部隊」を形成していった実態が浮かび上がった。
衆院が解散された同年7月21日。JR東京駅近くのホテルに、民主党の現職、新人の衆院選候補予定者数十人が三々五々、入っていった。懐には金額が空欄の領収書があった。部屋で待っていたのは小沢氏の秘書だった。
「(小沢氏の資金管理団体の)『陸山会』に領収書を出すと、表に出ることになるが、それでもいいですか」
複数の候補予定者によると、秘書はこう告げ、承諾を確認したうえで、現金入りの封筒を手渡した。札束を数えた候補予定者たちは、持参した自らの資金管理団体の領収書に「500万円」と記した。
秘書はこうも加えた。「今後、いざという時にはよろしくお願いしますよ」
同日は、民主党本部からも500万円の公認料が配られた。ある衆院議員は「公認料は1000万円と聞いていたが、実際は500万円でがっかりした。そこへ小沢氏から500万円もらい、『これで戦える』と心強く思った」と振り返る。
陸山会からの「軍資金」は、91人(2人は200万円)に計4億4900万円。直後の衆院選では88人(うち初当選は49人)が当選した。小沢氏は前日の20日に陸山会へ3億7000万円を貸し付け、それが原資となった可能性が高い。
通常、「表に出ないカネでやる」(自民党関係者)と言われてきた、有力政治家から議員、候補者への軍資金提供。なぜ、小沢氏は今回、表に出したのか。
小沢氏に近い議員の1人は、「政治とカネで強制捜査を受けた直後だけに、これ以上疑われるよりは、表でやる方がいいと判断した」と説明する。民主党内では、「小沢氏は勝負所と見て、なりふり構わずカネを配った。自らの数と力を拡大、誇示する狙いもあった」との指摘も聞かれる。
小沢氏から資金を受け、当選した議員の多くがその後、小沢氏を支える「中核部隊」となったが、小沢氏から離れたケースもある。
今年9月の党代表選で、小沢氏に投票するとした人は、読売新聞の投票前の取材では66人(実名で回答60人、匿名6人)。菅首相に投票するとした人も13人(実名で回答10人、匿名3人)いた。小沢氏支持議員からは選挙戦中、この13人に対し、「金を受け取って、『政治とカネと決別する戦いだ』と主張するのはおかしい」との批判が上がった。13人の1人は、「資金を受け取る際は戸惑ったが、選挙を仕切る立場の小沢氏からだったので、礼儀として受け取った」と釈明する。
また、11月25日、小沢氏支持の当選1回議員グループ「北辰会」が設立されたが、総会に参加した43人のうち24人と半数以上が「受領組」で、巨額分配の「成果」の一端とも言えそうだ。
一方、自らの資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、小沢氏と同様、批判を浴びた鳩山前首相は、衆院選前に鳩山グループの議員に寄付などはしておらず、事件を受けて自粛した模様だ。
(3)以上については、政治資金収支報告書で確認することができる。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SG20101130.html
「陸山会」の政治資金収支報告書
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/31400097.pdf
住所:東京都港区赤坂2-17-12 チェリス赤坂701
代表・小沢一郎
会計責任者・小原貞裕
事務担当者・馬場慶次郎
3頁:小沢一郎から3億7000万円を借入れ(2009年7月20日)
59頁:民主党岩手県第4区総支部から寄付3億7000万円(2009年7月22日)
76頁~80頁:小沢チルドレン89名の政治団体に500万円ずつ合計4億4500万円寄付(2009年7月21日)
86頁:小沢一郎に3億7000万円を返済(2009年7月22日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書では、代表は「小沢一郎」、会計責任者は「小原貞裕」と同じであるが、事務担当者は「池田光智」である。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013092.pdf)
4021 民主党岩手県第4区総支部の政治資金収支報告書
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/21syusihokokupdf/pdf/minsyu/kokkaigiin/4021.pdf
住所:岩手県奥州市水沢区袋町2番38号
代表・小沢一郎
会計責任者・小原貞裕
事務担当者・安倍克恵
15頁:改革フォーラム21から3億7000万円の寄付(2009年7月21日)
48頁:陸山会に3億7000万円を寄付(2009年7月22日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書は以下で見ることができる。
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/20syusihokokupdf/20syusihokokuitiran.xls
4021 民主党岩手県第4区総支部
http://www.pref.iwate.jp/~hp0736/20syusihokokupdf/pdf/minsyu/4021.pdf
代表は「小沢一郎」、会計責任者は「小原貞裕」、事務担当者は「安倍克恵」である。)
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/SO0620101130.html
改革フォーラム21の政治資金収支報告書
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/101130/13780007.pdf
5頁:民主党岩手県第4区総支部に3億7000万円を寄付(2009年7月21日)
(なお、2008年分の政治資金収支報告書は、以下である。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/090930/000013303.pdf
2009年には平野貞夫氏が会計責任であったことが確認できる。)
(4)要するに、2009年7月20日(衆議院解散前日)、小沢一郎氏は、「陸山会」に3.7億円を貸し付け、 「陸山会」は、その翌日(衆議院解散)、小沢チルドレンに4.45億円を寄付していたのである。
また、「改革フォーラム21」は、同日(解散日)、政党支部に3.7億円を寄付し、当該政党支部は、その翌日(22日)に「陸山会」に3.7億円を寄付し、「陸山会」は、同日、小沢に3.7億円を返済していたのである。
カネの流れを表記すると以下である。
小沢一郎→→3.7億円貸付(7月20日)→→陸山会→→4.45億円寄付(7月21日)→→小沢チルドレン。
改革フォーラム21→→3.7億円寄付(7月21日)→→民主党岩手県第4区総支部→→3.7億円寄付(7月22日)→→陸山会→→3.7億円返済(7月22日)→→小沢一郎
つまり、小沢一郎氏は2日後に3.7億円を返済してもらっている。
これが可能だったのは、陸山会がすぐに小沢に返済できるカネを、改革フォーラム21が支部を迂回させて工面していたからである。
(5)ここで重要なことは、すでに紹介した新聞記事及び上記紹介記事によると、寄付する側と寄付を受け取る側が相談していることである。
「小沢氏の政党支部へ3億7千万円の寄付」(2010年11月26日05時03分 読売新聞)は、以下のように報じていた。
小沢氏と改革フォーラム側が相談の上、衆院選候補者のための資金として同支部の口座に送金したという。
「また小沢!陸山会に「疑惑のカネ」億ション購入費用か?」ZAKZAK(2010.11.26)は、以下のように報じていた(共同通信の配信記事か)。
昨年まで改革フォーラム21の会計責任者だった平野貞夫元参院議員は「資金はイザというときのためにプールしていた。小沢氏や関係者と相談して寄付を決めた」と説明している。
上記東京新聞の記事は、以下のように報じている。
昨年九月まで改革フォーラムの会計責任者だった平野貞夫元参院議員は「自分が責任者になった〇七年ごろから、天下分け目の時、選挙資金に使うという話はしていた。第4区総支部への寄付は小沢氏の了解も得ている。この資金がなければ政権交代はなかった。迂回と言われようが適法な措置だ」と話している。
(6)「改革フォーラム21」は、「陸山会」に3億7000万円を直接寄付することはできない。現行の政治資金規正法では、5000万円が寄付の上限であるからだ。
これに違反すると、寄付した側も受けた側も罰則がある。
(同一の者に対する寄附の制限)
第二十二条 政党及び政治資金団体以外の政治団体のする政治活動に関する寄附は、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の政治団体に対しては、五千万円を超えることができない。
(量的制限等に違反する寄附の受領の禁止)
第二十二条の二 何人も、第二十一条第一項、第二十一条の二第一項、第二十一条の三第一項及び第二項若しくは第三項又は前条第一項若しくは第二項の規定のいずれかに違反してされる寄附を受けてはならない。
第二十六条 次の各号の一に該当する者(団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)は、一年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十一条第一項、第二十一条の二第一項、第二十一条の三第一項及び第二項若しくは第三項又は第二十二条第一項若しくは第二項の規定に違反して寄附をした者
二 ・・・
三 第二十二条の二の規定に違反して寄附を受けた者
もっとも、政党支部への寄付には、この制限がない。
そこで、小沢氏側は、「改革フォーラム21」側と相談して、政党支部に寄付をしてもらい、そのカネを当該政党支部から「陸山会」に移し、小沢氏への返済に充てたのである。
政党支部と陸山会の代表はいずれも「小沢一郎」で、会計責任者はいずれも「小原貞裕」であることも、重要である。
平野氏は適法というが、これは寄付する側とそれを受け取る側が相談して行ったと「自白」している以上、政治資金規正法が定めている量的制限を脱法して行われた迂回献金であり、違法献金なのである。
「陸山会」は、「改革フォーラム21」側と相談して、現行法では受け取れない3億7000万円を受け取っていたからだ。
小沢氏は小沢チルドレンに500万円ずつ配り、小沢氏の影響力を維持するためには、「陸山会」からそれを渡す必要があったのだろう。
政党支部だと、本部からの政党交付金が交付されているから、小沢氏の影響力を維持するためには、好ましくなかったのだろう。
このことは、上記読売新聞報道を読むと分かる。
一方、「陸山会」が小沢氏に3億7000万円を返済するには、どうしても「改革フォーラム21」からの迂回献金を充てにするしかなかったのである。
(7)違法献金の疑惑が生じた以上、かつ、政党のカネを私物化してもいる以上、小沢氏は説明責任を果たし、違法献金の疑惑を払拭し、私物化についての政治的・道義的責任を果たす必要がある。