次に会えるのは2週間後。

年末年始、彼は家族と過ごすから連絡が取れなくなる。

いつからいつまで？？？

気になって電話したら出なくて、

しばらくしたらかかってきた。

「音信不通になるのはいつからいつまで？

　メールもダメなんだよね？？？」

答えは年末年始の会社が休みになる1週間。

「1週間も。。。。

　メールもダメ？？？」

「子供が携帯さわるからうかつに置いておけないし」

「夜でもダメ？？？」

彼は私と連絡が取れなくなろうがなんとも思わないもんね。

「むしろ朝のほうがいいかな？

　すぐには返せないかもしれないけど…」

あまりに悲しがる私にキクチさんはメールしてもいいよ、

と言ってくれた。

「いいよ。一方通行で。

　がんばって早起きするね」

メールも私の気持ちも一方通行。

それでもあなたとつながっていられる。

あなたの声は優しくて心地よくて、

その軟らかい物腰に心が包まれるみたい。

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そんなあなたの大好きな優しい声で、

ひどいことを言われて私、悲しかったよ。。。

今月はまだ電話してない。

もうすぐ11月も終わりなのに…。

電話する勇気が出ないよ。

ちょうど去年の今頃、ひどいことを言われたからかな。。。

お願い。

もう一度、私を好きになって。

私と娘に会いに来て。。。

「なにしたい？」

「なにって…」

少し笑う彼。

そうだよね。。。

私とお茶しておしゃべりなんかしたいわけじゃないよね。。。

「Ｈしたいの？」

「Ｈしたい」

少し甘えたような声のキクチさん。

いいよ。。。

セックスに飽きられるまでは会いに来てくれるよね？

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キクチさんに抱かれると幸せだけど、

胸が張り裂けそうな泣きたい気持ちになる。

私のことなんか好きじゃないくせに…

力強い腕、やさしくて大きな手、

たくましい肩や背中、

熱い肌。

なにもかも愛おしい。

彼に抱かれている間、たまらなくなってしがみつき

「好き…」

と耳元で囁く。

淋しい主婦のヒマつぶしじゃないの。

あなたが好きなの。

私のこと、少しでも好きになって…！

彼に抱かれた後の腕枕が好き。

彼の肌のにおいが好き。

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次に会えるのは年明けだと言われた。

しばらく会えないんだね。

今はまだ彼の余韻が体に残ってるから淋しくない。

きょうがクリスマスイブで彼とこうして過ごせてよかった。

初めて彼に抱かれた後、

彼がどう思ってるか不安だった。

次に会う約束はしてくれていた。

約束の前日は彼が休みの日で、

休みの日は私からはメールをしないというルールになってた。

だけど、時間の約束はしてなかったから、

「明日○時に行くよ」

くらいのメールはくるかなと待っていた。

だけど、とうとうなんの連絡も来なくて。。。

一日、家族と…奥さんと過ごして罪悪感芽生えちゃった？

会いに来てくれないかもしれない。

会いたいよ。。。

夜中まで寝付けず寝室を抜け出して泣いた。

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翌日の朝、どうしようもない気持ちで目が覚めた。

クリスマスイブの朝だった。

「きょうは会えなくなっちゃったの？」

なるべくさりげなく気にしてない風にメールを送った。

メールの返事が来なかったらもう会えないんだって怖かった。

仕事で別荘地に向かっててそれが終わったら

会いに行くとメールがきたときはうれしかった。

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インターホンが鳴ってモニタに写る彼を見て玄関のドアを開ける。

中に入ったあなたに

「会いたかった…！

　もう会えないかと思った」

と、抱きつく。

「昨日、何時に来るとかメールもなかったし、

　罪悪感が芽生えてもう会いに来てくれないかと思った。。。」

「ごめん」

外で工事をしている業者さんの目をはばかってか、

彼が手帳と資料を持って現れるのが少しおかしい。