アリセプトと言う薬があります。
何かというとアルツハイマー病に使う薬なんですが。
で、これに限らずなんですが。
投与初期は量が少なめで、決められた期間後に量を増やしていくという薬があります。
アリセプトの場合ですと、通常3mg錠を1~2週間内服し、その後5mg錠に増量ですね。
あ。主任が問い合わせ受けてますね。
主任「ああ、はい、はい。じゃあ、確認して折り返しお電話しますので」
外部調剤薬局からの問い合わせですね。
ま、主任なら問題ないでしょう、とんな問い合わせでも。
そしてしばし時が経ち。
主任「……え!?いや、その……。…あああ」
主任が口ごもって電話って珍しいな。あ。電話切った。
主任「ああもうこの問い合わせ自体なかったことにしたい!!」
凄いこと言うないきなり。
ナツ「どうしたんですか一体」
主任「アリセプトがね、3mgで出てた人がいたの」
ナツ「それは開始でですか?」
主任「ううん、もう10日くらい3mgで飲んでる人」
ああ、それじゃあ普通5mgへ増量ですよね。
主任「で、5mgでなくていいんですかって問い合わせがきたから確認して連絡、という形にしたの」
ナツ「ほうほう」
主任「処方医は、外科のA先生だったの」
勿論個人差はあるのでしょうが、少なくとも私の経験から言って、一般に、外科医のほうが内科医より薬に関してはアバウトです。
まぁその分拘りも少ないので言うこと聞いてくれるという利点もありますが。
特にアルツハイマーは明らかに外科の領域じゃないので、あんまわかってないのかもなぁ増量するとかそういうこと……。
主任「で、A先生に確認したら、アルツハイマーだし、それなら明日受診予定の神経内科でまとめて診てもらって、それからの返答にしたい、と。多分5mgへ変更、って。」
ああ、患者さん、明日も受診の予定なんですね。
今日は外科、明日は神経内科。忙しいなぁ。
というかなんで神経内科かかってるのにまずアルツハイマー相談が外科にいったんだ。
ナツ「なら問題ないじゃないですか」
主任「それがね…。返答待ちにしてる間に。
調剤薬局、患者さんに3mgのままで渡しちゃったんだって!」
ナツ「はい?」
ポカーンとする私。
ナツ「え、なんで!?だって問い合わせの返答待ちだったんですよね!?」
調剤は、疑問がある場合は解消するまで調剤しちゃいけませんって法律で決まっています。
なんで問い合わせ中に調剤して渡しちゃうの!?
主任「患者さんに聞いたら、特に増量って聞いてないからーって」
そりゃそうだろうさ!というかそもそも普通の患者さん、そうやって増量してく薬だって知らないしな!
ナツ「えー、酷い!で、5mgになりそうっていったらどうするんですか?」
主任「5mgを調剤するのはいいけど、患者さんに連絡とってもらったら、患者さん、受け取った3mgの薬、
1錠ずつバラバラに鋏で切りはなしちゃったんだって」
ああ、いますよね一錠ずつ切り離す人。
本気で飲みづらいと思うんですがなぜああいうことをするのか。
主任「だからバラバラになった3mg錠は病院に引き取ってもらいたいって」
エーーー∑(゚Д゚)
だって、調剤待ってればすむ話なの勝手に調剤して渡した結果ばらばらにされたんでしょ?
自業自得じゃないの!?
主任「でも間違った処方を出したのは病院だからって」
いやそりゃそうですけど!
でもそれを引っ掛けて間違いを防ぐのが調剤薬局の役割じゃん、防げてないじゃん!!!
結局、上同士の話しあいになってましたが。
なんか、納得いかない。
とりあえずあれです。疑問点のある調剤を行うのは本気でやめて欲しい、怖いから!!