東日本大震災:多摩地域、あすから震災がれき受け入れ 住民、不安残し /東京
毎日新聞 2012年06月10日 地方版
都は昨年11月、多摩地域26市の市長でつくる都市長会と女川町のがれきを受け入れることで合意。来年3月までに約10万トンを23区と5万トンずつ処理する数値目標をたて、多摩地域では3市4組合の計7カ所の処理場で受け入れる。5月までに7カ所の処理場周辺で行った説明会は「(説明のための場で)合意形成の場ではない」(都の担当者)との位置づけだ。
府中市に住む40代の男性会社員は放射性物質への不安から、昨年7月に妻と2歳の娘を沖縄県へ避難させたという。受け入れ開始が目前に迫り「これでますます家族を戻せなくなった」と話す。受け入れ組合側に、多数の市民の意見を取り入れた慎重な検討を陳情しているが「決まったことを覆すのは難しいだろう」とも感じる。
多摩川衛生組合議会の議員を今月上旬まで務めた前田節子・国立市議は「決定に市民の意見を反映する場がまったくなかった」と話す。組合の管理者である稲城市からは「がれき受け入れは議会の議決案件ではない」と説明されたというが「根拠が不明確。誰がどういう責任で受け入れを決めるのか、全国的な統一的ルールを定めるべきだ」と指摘した。
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