地下鉄サリン事件で特別手配されている元オウム真理教信者高橋克也容疑者(54)が、防犯カメラの性能についての知識を持ち、現在もカメラを警戒して逃走している疑いがあることが10日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁は、高橋容疑者が潜伏していた川崎市の建設会社の寮の捜索で、防犯カメラの性能を特集した雑誌を押収。種類や形状、カメラからの距離に応じてどの程度鮮明に写るかなどが解説されており、同庁は同容疑者が逃走に備えて事前に調べていたとみている。
潜伏先だった川崎市周辺の交通機関のカメラには高橋容疑者の姿が写っておらず、警視庁は同容疑者がカメラに写る可能性の高い鉄道の利用を避け、主にタクシーを使い逃走しているとみて、経路の割り出しを急いでいる。
一緒に逃亡していた元信者菊地直子容疑者(40)=サリン事件の殺人容疑などで逮捕=は調べに対し、「高橋容疑者は出身地の横浜周辺は土地勘があり、川崎潜伏も同容疑者が決めた」と供述しているという。菊地容疑者は「北海道や立山黒部、高尾山に2人で旅行し、現地ではホテルに泊まった」と話しており、寮からは登山靴も見つかった。
[時事通信社]