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2012年6月10日(日)

「安全神話」と恫喝による再稼働方針を撤回せよ

札幌 志位委員長が会見

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 日本共産党の志位和夫委員長は9日、札幌市で記者会見し、野田佳彦首相が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働実施を表明したことについて、次のような見解を表明しました。


 一、野田首相は、8日の記者会見で、大飯原発を「再稼働すべきだというのが私の判断だ」と表明しました。「国民生活を守る」ことが「唯一絶対の基準」などとしていますが、この判断は、「国民生活を守る」どころか、国民の命と安全を危険にさらす最悪の判断といわなければなりません。

 一、首相は、「福島を襲ったような地震・津波がおこっても、事故を防止できる対策と体制はととのっている」と断言しました。しかし、福島原発事故の原因究明はなされておらず、政府自らがとりあえずの対策として指示した30項目の「安全対策」――「免震事務棟」、「フィルター付きベント」などが設置されるのは「3年先」です。だいたい「福島を襲ったような地震・津波」といいますが、肝心の大飯原発をどのような地震・津波が襲う危険があるのかは解明されていません。これでどうして「事故を防止できる」と断言できるのでしょうか。これこそ、「安全神話」の最悪の形での復活にほかなりません。こうした「安全神話」こそが、福島原発事故を引き起こした最大の教訓ではなかったのではないでしょうか。そこから何一つ学ぼうとしない首相の態度は、国政の責任者として決して許すわけにいかないものです。

 一、首相が、繰り返しのべたのは、電力不足や料金値上げになれば、「国民の安心が脅かされる」ということでした。

 しかし、そもそも、これらの問題と、原発再稼働とは、てんびんにかけてよい問題では決してありません。くわえて、電力不足などの問題についても、その具体的根拠は何ら示されていません。夏場の電力需給について、ピーク時はどれくらいの時間帯、日数なのか。原発が再稼働しなかった場合、天然ガスなどの火力の活用、電力融通、節電努力などによって、どれだけ需要を減らし供給を増やせるのか。これらも具体的には明らかにされていません。首相の口から繰り返し語られたのは、「日常生活や経済活動」が混乱するという、脅しの言葉だけでした。具体的な根拠も示さず、恫(どう)喝(かつ)によって、再稼働を迫る。これも、決して許すことのできない態度です。

 一、首相は、「夏場限定の再稼働」だけでなく、「原発は重要な電源」であり、今後も運転を続けると踏み込みました。これは、「原発は基幹電源」として、将来にわたって、これに固執する財界の圧力に屈したものにほかなりません。

 わが党は、財界いいなりに、「安全神話」を復活させ、恫喝によって、再稼働を強行しようとする首相の態度に強く抗議するとともに、この方針のすみやかな撤回を求めます。多くの人々と手を携えて、再稼働を許さないたたかいに力をつくすとともに、「原発ゼロの日本」をめざして全力をあげるものです。

 再稼働の方針は示されましたが、まだ稼働はされていません。この無謀な再稼働をくい止めるあらゆるたたかいを大いに進めたいと決意しています。

 消費税の問題に続いて、「毒食らわば皿まで」という観がします。いまの政権は国民の暮らし、安全、日本のかじ取りを担う資格はないと強く感じます。


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