食品などに対する放射能の基準値が4月1日(2012年)から厳しくなったが、実態は穴だらけだった。松田利仁亜アナが「そもそも検査はきちんと行われているのか。宮城県亘理町の魚の水揚げから検査までを取材したところ、問題点が見えてきましたし、それについて国の対応も聞いてきました」と報告する。
亘理港で水揚げされたフグ、カレイ、ハギ、ソイ、マスの5種類について、松田はこう報告する。「検査が必要なのは過去1年間で50ベクレルを超えた魚です。このうち、ハギは50ベクレルを超えた事がないので検査からは外され、カレイ、ソイ、マスは50ベクレル以下の検査に必要な量5キロもとれていないので検査対象外。この日500キロとれたフグだけが検査となりました。ただ問題は検査のスピードです」
検査のフグは午後4時に横浜の水産総合研究センターに発送され、届いたのは翌日午前11時。2時間かけて検査され、結果は翌々日に出て、漁港市場に報告が届いたのは水揚げから2日後の午後5時だった。松田が驚くべきことを言う。「検査結果が出る前に、大半の魚が売られてしまっているということです」
ゲストの室井佑月(小説家)が爆発した。「去年からずっとこういう状態でしょう?」。柳澤秀夫解説委員がため息まじりで念を押す。「場合によっては、胃袋に入っているということ?」
この件を政府に問い合わせると、返ってきた回答書面がこれまたひどい。「検査は出荷前に終了されているよう対応されており、出荷後に基準値超えが判明するケースは極めて低いと考えています」というもので、「ならばわれわれが調べたものはどうなのかと聞くと、『そういうケースは把握していない』というわけです」(松田)
立命館大学の安斎育郎名誉教授は「国の自己弁護です。しかも、(かりに基準値を超えていても摂取した量は)たいしたことはないという回答は、問題のスリカエで検査が機能していないのは事実です」と言う。室井の怒りは収まらない。
「だったら基準値はなんの役にも立っていないじゃないですか。今回の基準値はみんなに安心と思わせるだけのもので、みんなが安全になるものじゃないですよ、これ。しかも、民間で独自検査をやったら、勝手なことはやめろっていうんでしょ。もう、全然信用できないですよ!」
室井の怒り、もっともである。
(磯G)
関連記事
ツイート数ランキング
おすすめワード
今旬ワード
スポンサードリンク
お知らせ
アクセスランキング
【スポンサードリンク】
|