“安全を確保” 知事に報告書提出6月11日 17時22分
関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、福井県が設置した原子力の専門家などが参加した委員会は、西川知事に「安全を確保できている」とする報告書を提出しました。
これを受けて、西川知事は12日に大飯原発を視察したうえで、今週中にも運転再開を判断するとみられます。
福井県おおい町にある大飯原発3号機と4号機の運転再開を巡り、安全性を独自に検証していた県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は、11日午後、福井県庁で西川知事に検証結果をまとめた報告書を手渡しました。
報告書では、大飯原発について「福島第一原発の事故を教訓に、想定される地震や津波が襲っても原子炉の安全を確保するための対策はできている」と評価しています。
そのうえで、国や関西電力などへの要望として、国の新たな規制機関の早期の発足や、万一の事故など緊急時に迅速に対応するため、原発周辺の道路の整備など、一層の対策を進めることを盛り込んでいます。
西川知事は「報告書の内容をしっかり受け止めて、さらに県議会やおおい町の意見を踏まえ、運転再開を判断したい。私自身も現場で安全対策の実施状況を見極めたい」と述べました。
西川知事は、12日、大飯原発の視察を行う予定で、今週中にも運転再開を判断するとみられます。
“1つの判断材料を与えた”
報告書を提出した福井県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は「われわれは、原子炉の安全性を科学的・技術的な観点から検証し安全性を確認した。今後、福井県が大飯原発の運転再開を判断していくうえで、1つの判断材料を与えたという考え方だ」と述べました。
そのうえで、「今後も各委員の意見を聞きながら原発の安全性をさらに高めるいろんな方策を考えていきたい」と述べました。
また、委員会で、原子力防災が検証の対象にならなかったことについては「われわれの立場で検証することが本当に適当か考える必要はあるが、原子力防災は重要なので、まずは国がはっきりとした指針を示す必要がある」と述べ、国に対して防災指針の策定を急ぐよう求めました。
おおい町長“運転再開の判断は13日か14日に”
大飯原発の運転再開を巡り、福井県の原子力安全専門委員会が「安全を確保できている」とする報告書を、西川知事に提出したことについて、地元、福井県おおい町の時岡忍町長は「報告書は分量も多く、あす、あさってと2日間、十分時間をかけて検討したい」と述べ、町長としての運転再開の判断は13日か14日になるとの見通しを明らかにしました。
時岡町長は町議会に報告したあと、西川知事にも判断を伝えることにしています。
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