■パワーに陰り!?
秋信守のバットから本塁打が減ったことについては、面白いデータが一つある。米スポーツ専門インターネットサイト「espn.com」と提携を結んだクリーブランド・インディアンス専門ブログ(itspronouncedlajaway.com)は、ESPNの資料を通じて秋信守の過去3年間の打撃成績(2012年5月12日までを基準)を分析し、今季は「20本塁打・20盗塁」をマークした2009、2010年とは違って、相手投手のスライダーに対応できていないのが問題、と指摘した。次いで「秋信守が最高の成績を残した2010年はスライダーを打った際の打率が3割8厘で、本塁打も5本あった」と指摘、「2010年末からはスライダーを打った際の打率が1割6分4厘に大きく下がった」と説明した。分析結果を見ると、秋信守は2010年10月からはスライダーをたたいての本塁打を1本もマークしておらず、こうしたデータを把握した相手チームの投手たちが、2012年からは秋信守に対し集中してスライダーを投げるようになったというのだ。今季マークした3本の本塁打はそれぞれ直球、シンカー、チェンジアップをたたいてのものだった。MBCスポーツ+のヤン・サンウン解説委員は「秋信守のスイングは、もともと下から上に振り上げるアッパースイングだが、それでも内角へ曲がってくる右腕投手のスライダーをうまく打ってきた。しかし、内角球で死球を経験して以来、内側に曲がってくるスライダーに気後れし、自分のスイングができていないようだ」と分析した。
85マイル(約136.8キロ)を超える速いボールよりも、それ以下の遅い変化球に対応できていないのも問題とされた。同ブログは、秋信守が85マイル以下のボールを打った際の打率は2009年の2割5分9厘から昨年は1割9分6厘、今年は1割5分4厘とリーグ最下位レベルにまで落ち込んだ、と指摘した。
また、速球を打った際の打率も毎年下がっていることを指摘。特に左腕投手の速球をどのように攻略するかが復活へのカギ、と分析している。85マイル以上のボールを打った際の打率は2009年の3割2分6厘から10年には3割1分、11年には2割8分、12年には2割5分4厘と、毎年下降線をたどっている。この分析によると、右腕の速球を打った際の打率はここ3年間、3割5厘、2割8分3厘、3割7分5厘と、中・上位圏の水準だった。しかし左腕の速球に対しては2010年こそ3割2厘をマークしたものの、今年は9分5厘と大きく低下している。最後に同ブログは「秋信守は今年、左腕の速球に対して2安打しかマークしていないが、これは左腕の速球を20打席以上経験したメジャーリーグの打者の中で最低の打率」と説明した。