既に2月は2回、仕事を少し早めに切り上げて勉強会に行っています。
さすがに一月に三回はなぁ、休みの日にならとにかく仕事時間削って行くのは周りに迷惑だよなぁただでさえ忙しいのに、と思っていたのですが。
件の中途さんが、仕事早めに切り上げるどころかまるまる一日仕事を休んでの勉強会を4日も申告してるのに気付いたらなんかどうでもよくなりました。
というのは半分くらい冗談ですが。
いや、うちの病院、一応、勉強会参加は、申告して認められれば「仕事時間」として認められます。
もちろん残業とかそういうのはつきませんが、たとえば一日学会参加すれば、それは有給扱いではなく仕事で一日勤務していたものと見なされるんですね。
といっても、そうすると当然日常業務は残された人間に全て皺寄せがいくので、よほどの理由がない限りある程度周りとのバランスを取って行くものなんですけどね!
と嫌味はこれくらいにしておいて。
さて、そんなわけで、本当はとある勉強会をもう一個狙っていた私。
とあるメーカーさんがその勉強会の資料を持ってきてくれたのですが、普通は、勉強会の案内は薬剤科全体に持ってきて「どなたかご興味ある方がいらしていただければ」となるのです。
が、このメーカーさんの新薬についての研究を私が薬剤師会でしていた絡みがあり、
その新薬の関係の勉強会なのでぜひご参加を!と御指名。
更に、全くの偶然ですが、その勉強会の座長(講演者を紹介したりとか質問とかまとめの挨拶とかするえらい人)、どこかで見覚えがあると思えば。
なんと私の結婚式の時の主賓の先生じゃないですか。
もちろん、関係のない人を主賓でお招きしたわけではありません。
今は亡き父の上司にあたる、某大病院の院長先生。
父は勿論、私たち家族も、非常に良くして下さいました。
いや、結婚式の主賓は、一応直属上司であるサチさんを考えはしたんですが、
サチさん「嫌だ!絶対嫌だ!主賓になんてされたら行かないからね!私単なる先輩なんだからね!」
とゴネられたので、スピーチだけのお願いにしたのです。
散々話して、席次に「新婦上司」と書く許可だけもらったものです。
そして、この院長先生。先日の父の命日には、今年も豪華な花束を贈って下さった方だったりします。
実家に帰り、母相手に、花束を見ながら呟きます。
ナツ「忙しくて無理とは思ってるんだけど先生が座長をなさる勉強会の参加の話があってね」
母一言。
「絶対行ってご挨拶してきてよ!」
とのご命令。
そんなわけで、義理人情と大人の事情半分、勉強会への純粋な知的好奇心半分で、おそるおそるサチさんに申告。
ナツ「あのー、参加費も交通費もいらないんで、この日仕事落ちついてたら、定時で仕事あがって
この勉強会に行きたいんですが…残業さえしなければ間に合うので…」
サチさん「いいよー勉強しといで!」
二つ返事でした。
さすがサチさん懐が広い。
そんなわけでその日の出勤メンバーに頭を下げつつ、急遽定時で仕事を終わらせて勉強会へ。
勉強会の内容そのものは普通に面白い勉強会だったんですが、
ブログネタとしては一流ホテルの仕出し弁当はおいしいなぁくらいしかないので飛ばします。
夜遅かったのでお弁当付きだったんですよね。
しかも、薬剤師向けじゃなくて医師も参加のだったので、お弁当豪華。
薬剤師向けのよりお弁当のランクが明らかに上です。
世の中ってそんなもの。
母のご命令もあるので
勉強会の後院長先生にご挨拶。
ナツ「先生、御無沙汰しております。先日は、父にお花をありがとうございました。
母からもありがとうございましたとお伝え下さいと」
院長先生「おお、来てたのか。久しぶりだねぇ」
あ、良かった、覚えられてた。
結婚式の主賓頼んだのに忘れられてたらどうしようかと思った。
そんなこんなで話しつつロビーへ。
院長先生なので、他の病院スタッフがわらわらとわいて出ます。
院長先生、その中のお一人を手招き。
その先生も講演をされていたのでどなたかすぐわかります。
父の勤務先だった病院の薬剤部長です。
同じ薬剤部長といっても、うちの病院の規模の薬局長は私が軽口叩けるレベルですが、
薬学生向け向けの教科書とかに載るレベルの病院の薬剤部長はやっぱり雲の上です私から見たら。
院長先生「ちょうどよかった。これ、○○(父の名前)の娘さん」
ナツ「あ、その節はお世話になりました」
実は、父の生前、一日病院薬剤科見学をさせていただいていたことがあります。
ついでに言うなら、勉強会の最後の質疑応答で挙手して質問もしてるので、あちらもすぐ私のことがわかった様子。
薬剤部長「ああ、さっき質問してくれたよね、ありがとう」
ナツ「さきほどはありがとうございました。とても貴重なご講演でした」
思わず米つきバッタになる私。
いやだって雲の上の人だし。
院長先生「あれ、知り合い?」
薬剤部長「いや、○○先生がいらした頃、一度一日体験見学に」
ナツ「はい、学生時代に、病院薬剤師の仕事を見学させていただきたくて、
ご無理を言ってお願いしてしまいました。その節はお世話になりました」
うわぁなんか無理を通して見学させてもらった手前いたたまれない!
いくら10年近く前の学生時代といっても!
院長先生「ちょうどいいや。ナツさん、○○病院の薬剤師やってるみたいなんだけど、
いっそうちに引きぬいちゃう?」
ナツ「はい!?」
一瞬目が点になりますが、すぐに、ああ、その場の冗談よね、と。
和やかに笑います。
ナツ「またまた。そちらの病院の薬剤部入るの、凄く大変だって父に聞いてますよ。
私は大学院も出てませんし」
薬剤部長「いや、そんなのいいんだよ。六年制の学生が入る前に、体制を変えるつもりだし」
院長先生「そうそう、いつでも連絡くれれば引きぬきたいよ」
はははもう冗談好きだなぁと思いつつ、ありがとうございますと笑顔で頭を下げます。
大人だもの。
院長先生、他の人にも呼ばれご挨拶に。
お忙しいですね、と思っていたら、なぜか薬剤部長はまだ行きません。
あれ?だって、院長先生に呼ばれたからいらして下さったんですよね?
真面目な顔で仰います。
薬剤部長「その気になったらいつでもご連絡下さい。病院に連絡くれれば大丈夫ですから」
え。もしかして、本気だったんですか?
しかし、およそ冗談いいそうなタイプに見えません。極めて真面目に仰ってます。
父に非常に良くして下さっていて縁の深い院長先生はとにかく、
薬剤部長、父と全く別に仲良しじゃなかったですよね?なのになぜ!?
さっきの勉強会で質問したせい!?
今の規模とは全くかけ離れた大きな病院のお誘いに一瞬アホみたいに浮かび上がる私。
落ちつけ私、こんなにコネコネしい転職のお誘いないぞ…!!
どうせ転職するなら自分の実力で心から欲しいと言ってもらえるようになれ!!と自分で自分を律します。
すぐに調子にのるタイプなので危ないったらもう。
というやり取りがあったことを、後日サチさんに言ってみます。
サチさん「とりあえず××病院(父の元勤務先)に鼻つまんで電話かけて、
『ナツさんは働かせないほうがいいですよ』っていってやるー」
怖いよ。
ナツ「どうせなら、ナツさんを使いこなせるのは私くらいよくらい言ってみて下さいよ」
と言ってみたらゲラゲラ笑ってましたが。
まだまだ当分、私には身の丈に合ったこの職場が良さそうです。
何より、この職場は、私自身を必要としてくれてるようなので。
…されてなかったらどうしようね!