福井・大飯原発:福井県専門委、傍聴席混乱で非公開に
毎日新聞 2012年06月11日 大阪夕刊
福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機の安全性を検証した10日の県原子力安全専門委員会で、再稼働手続きの進展を懸念した傍聴者らが「再稼働して責任を取れるのか」などと抗議し、県側と押し問答になった。会議室前に警察が出動するなど物々しい雰囲気に包まれ、県は一般傍聴者を閉め出して委員会を開いた。
開会前、定員の50人を超える約70人が傍聴を希望し、一部が中川英之委員長に「今日で打ち切りはやめてください」などと抗議。審議が始められないとして県側が退場を促したが、傍聴者は「命に関わる問題だ」「全員入れろ」などと訴えた。
約1時間後、県庁内の別室で報道陣のみに傍聴を許可して審議を始めた。中川委員長は終了後、「委員会が開けない状況を傍聴者がつくったのは非常に残念。透明性を結果的に封じてしまうことにもなる」と話した。傍聴に訪れた元京都大原子炉実験所講師、小林圭二さん(73)は「意味の大きい委員会を非公開とした罪は大きい。『非公開ではやれない』という委員が1人くらいいてほしかった」と話した。【山衛守剛、近藤諭】
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