(CNN) ユダヤ教の超正統派の男性が宗教的理由から生やしているひげのせいで米ニューヨーク(NY)市警の警察学校を退学になったとして同市警に対する訴訟を計画している。
訴訟を検討しているのはフィシェル・リッツマンさん(38)。今年1月にNY市警警察学校に入学し成績も上位1%に入る優秀ぶりだったが、今月に入り、警察学校から退学するよう求められたという。
リッツマンさんの弁護士を務めるネイサン・ルーウィン氏は、「宗教的差別」の見本だと指摘。「我々は訴訟を起こすことを計画している。これをNY市警に繰り返させてはいけない」と述べた。
一方、NY市警のブラウン副本部長は声明で、NY市警が宗教的理由から生やすのを認めているひげの長さは1ミリメートルだと説明。同副本部長は、市警の中にはこの基準を満たしながら勤務しているユダヤ教超正統派の警官もいると付け加えた。
ブラウン副本部長は、リッツマンさんが1ミリの長さに切りそろえることをしなかったほか、ひげを剃ったり切りそろえたりする意思も見せなかったと指摘した。
一方、リッツマンさんは、ユダヤ教の教えに従って、ひげを自然に残していると説明する。
リッツマンさんによれば、入学してから3度、ひげを剃ったり切りそろえたりするよういわれたが、いずれも信仰を理由に拒否したという。リッツマンさんは「宗教的良心の問題として、たとえ警察学校を卒業するための短期間とはいえ、ひげを剃ることはできないので、指示には従えない」と強調した。