ただし、本誌のアンケートを無視し、沈黙を守っていても原発推進がはっきりしている議員は少なくない。その代表格が電力総連の組織内候補である民主党の小林正夫、藤原正司両参院議員。小林氏は元東電労組副委員長にして元電力総連副会長、藤原氏は元関西電力労組執行委員長で、両者には関連の政治団体などを通じて電力総連からそれぞれ約4000万円、約3000万円('06年~'09年分)のカネが流れている。
アンケートに回答できない理由について事務所に尋ねると「回答を見送らせていただきます。理由? 特にありません」(小林正夫事務所)、「出張が立て込み時間を取れませんでした」(藤原正司事務所)。
ここでは、アンケートの回答に代えて、3・11以後の両者の代表的な言動を紹介しておく。
小林氏は5月16日、電力総連の種岡成一会長、藤原氏らと民主党の樽床伸二幹事長代行を訪問。「原発の再稼働に格段の配慮を」といった申し入れを行ったと、HPで組織への貢献度をアピールしている。
一方、藤原氏はここまで原発への嫌悪感が広がるとは予想していなかったのだろう。原発事故から約4ヵ月後の時点で、こんな発言を残している。
「半年もたてば、世論も変わるわ。(略)震災後、原発を減らせという評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」(毎日新聞'11年7月20日付朝刊)
口をつぐむ推進派議員たち
他にも回答しなかった議員のなかから、原発産業との関連が深い議員を列挙すると、次の通りだ。
【民主党】
●川端達夫総務相(ウラン濃縮のための炭素繊維を開発する東レ出身で、文科相として、もんじゅの運転再開を決定)
●大畠章宏元経産相(原発プラントメーカーの日立出身で、電気メーカーの労組「電機連合」の組織内候補)
●驫木利治参院議員(原発部品を受注する大同特殊綱出身で、鉄鋼労組「基幹労連」の組織内候補)
●松岡広隆衆院議員(関電出身)
●柳澤光美参院議員(民主党の支持母体「連合」の最大勢力「UIゼンセン同盟」元政治顧問で、経産副大臣として大飯原発再稼働の地元説明会に出席。「福島のような事故は起きない」などと説明)
●直嶋正行元経産相(自動車業界の労組「自動車総連」の組織内候補で、党の成長戦略・経済対策プロジェクトチーム座長として、早期再稼働を主張)
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