【萬物相】大学ランキング

 米国カリフォルニア州にあるクレアモント・マッケナ大学の入学担当官が、今年初めに辞任した。2005年から、新入生の大学進学適性試験(SAT)の点数を水増しして発表していた問題が明るみに出たためだ。さらにニュージャージー州でも、この数カ月の間に4、5校の大学が新入生の成績を不正に操作していた事実が発覚した。大学が成績を水増しするのは、時事週刊誌『USニューズ&ワールド・レポート』が毎年9月に発表する大学順位評価で上位にランクインするためだ。

 USニュースが1983年、「米国大学ランキング」を初めて発表した際には、これほどまでに反響が大きくなるとは思っていなかった。進学情報に飢えていた保護者と生徒たちはUSニュースの評価を、まるで真夏の湧き水のように歓迎した。細かい項目にまで順位をつけるのを好む米国社会の「ビルボードチャート現象」も一役買った。USニュースは大学ランキングを発表したことで販売部数が2倍以上増加したため、隔年で公表していたランキングを88年からは毎年の恒例行事とした。

 USニュースが人気を集めると、2000年代に入ってから、ワシントン・マンスリー、ニューズウィーク、フォーブスといった週刊、月刊誌も大学評価に加勢した。英国でもザ・タイムズ、ガーディアン、インディペンデント、サンデータイムズが参入した。ザ・タイムズは2004年から、大学評価専門機関QS(クアクアレリ・シモンズ)と共同で世界の大学ランキングを発表し、新たな強者として登場した。だが、ザ・タイムズとQSは2010年に決別し、それぞれ独自のランキングを出している。QSはUSニュースにデータを提供すると共に、朝鮮日報と共同でアジア大学ランキングを発表している。

 しかし、大学のランキング評価については、基準があいまいで科学的ではないという批判も付き物だ。USニュースでは1999年、前年に9位だったカリフォルニア工科大がハーバード、スタンフォードを追い抜き1位にランクインした。「学生1人当たりの教育費」の項目に重点を置いたため、学生数900人と少人数のカリフォルニア工科大が高得点を得たのだ。しかし、これをめぐって論争が起きたため、USニュースは翌年、加重値を調整し、カリフォルニア工科大を4位に修正した。昨年6月、欧州47カ国850大学で構成される欧州大学協会(EUA)は、大学ランキングの弊害を改善すべきだとの課題を盛り込んだ報告書を発表した。こうした中、ランキングの評価資料の提出を拒否している大学もある。

 今回発表されたQSと朝鮮日報による今年のアジア大学評価で、ソウル大学、KAIST(韓国科学技術院)、ポステック(旧・浦項工科大)がトップ10に名を連ねた。昨年まで、韓国の大学でトップ10に入ったのはソウル大だけだった。また、ソウル大(4位)が初めて東京大(8位)を追い越した。学問固有の領域ではなく、外国人教授や留学生の割合など国際化の点数が高かったためにこのような結果となったが、悪くない気分だ。大学ランキング評価に弊害がないわけではないが、大学をマンネリ化から目覚めさせる効果は大きい。1、2ランクの順位の変動に笑ったり泣いたりするのではなく、各大学が長所と短所を振り返るきっかけとしてこの評価を活用すれば、それだけでも効果は十分だ。

金亨基(キム・ヒョンギ)論説委員
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