販売不振でなりふり構わぬ百貨店業界

 ソウル市江南区狎鴎亭洞の現代百貨店には3日午前、開店時間前から数百人が売り場ではなく屋上に集まった。白血病の子どもを支援するための「グリーンマーケット」に百貨店の社員や顧客が寄付した中古品、文化センター会員の創作物などを格安で手に入れるために集まった人たちだ。収益金を白血病の子どもたちの支援に充てる「公益性」が高いイベントだが、内容は百貨店には似合わない「中古品売り場」だった。だが、顧客の関心はまさに「安い商品」にあった。

 主婦のキム・ジヨンさん(36)は「百貨店の屋上でお得なセールがあると聞いて、家計簿にメモしておいた。最近は値引きイベントが多いため、百貨店によく来るようになった」と話した。

 百貨店業界は今、「在庫処分」に近い安売りに熱心だ。「出店全ブランド参加」「史上最大の商品放出」といったキャッチフレーズは品位などお構いなしだ。「ワンピース100代ブランド大展示会」が開催された先月25日、ソウル市中区小公洞のロッテ百貨店9階特別売り場には、数百人の買い物客が午前10時半の開店と同時に押し寄せた。2万-4万ウォン(約1300-2600円)の割引商品が全体の40%を超え、全部売り切ったとしても数十億ウォン(1億ウォン=約660万円)にすぎないが、最近の業績不振を受け、出店ブランドの在庫が増える状況のため、割引イベントを開催せざるを得なくなった。

 ロッテ百貨店は、年間でサングラスが一番よく売れる6月に過去最大規模のサングラス割引セールを実施中だ。現代百貨店も4日から10日まで7店舗で女性衣料セールを行い、25ブランド、計10万着をおよそ半額の値段で販売する。総額100億ウォン(約6億6000万円)を超える商品を半額で売り尽くす戦略だ。

 新世界百貨店も14日まで「冬物衣料ビッグチャンス大展示会」を開催しており、繰越商品を処分している。ブランドを問わず、冬物衣料を最大80%値引きし、パディングジャケットは5万-10万ウォン(約3300-6600円)で販売されている。

金徳翰(キム・ドクハン)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース