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被災地の子ども 極端な運動不足
6月10日 19時57分

被災地の子ども 極端な運動不足
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11日で震災発生から1年3か月になりますが、被害が大きかった宮城県女川町では、小中学生の女子の半数以上で、学校以外で体を動かす時間が1週間で1時間に満たないなど、極端な運動不足に陥っている実態が、大学の研究グループの調査で明らかになりました。
背景には被災地の厳しい環境があるとみられています。

この調査は、被災地の子どもの運動量を調べるため、東北学院大学の鈴木宏哉准教授のグループが行ったもので、被災の程度が激しい女川町の小学4年生以上と、中学生全員の合わせて431人を調査の対象としました。
アンケートと歩数計で、学校以外で歩いたり、体を使った運動をしたりした時間を調べたところ、1週間で1時間にも満たない子どもが33.8%に上りました。
国が平成22年度にまとめた調査では、全国平均は18.5%で、今回の結果はそれを大きく上回っています。
中でも女子は50.3%と、半数以上が極端な運動不足に陥っている実態が分かったということです。
原因について鈴木准教授は、復旧工事が本格化するなか、トラックなどの車両が頻繁に通行して危険なため、元の市街地の大半で子どもたちの移動が制限され、遊び場もなくなっていることや、仮設住宅に入ってバス通学になったため、歩いて登下校したり、放課後に活動したりすることがなくなってしまったことが大きいのではないかとしています。
鈴木准教授は「子どもの健全な発育には週に7時間の活動が目安とされていて、現在の運動不足は、成人期における生活習慣病に影響を及ぼすことが考えられる。体育の授業の充実など学内の活動量の増加に向けて現場の教員をサポートする活動を進めていきたい」と話しています。

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