中国当局が世界的な文化遺産である万里の長城の総延長が2万キロを超えるとの調査結果を発表した。これは2009年に中国当局が発表した8851.8キロに比べ2倍以上長い。中国側の発表を受け、韓国の学者は「中国が現在の国境を基準に自国領土内にある城は全て万里の長城だと無理な主張を行っている」と批判した。
6日付人民日報によると、中国国家文物局の童明康副局長は5日、北京の居庸関長城で行われた行事の席上、2007年から5年間、万里の長城に対する詳細な調査と測量を行った結果、長城の総延長が2万1196.8キロに達し、計4万3721カ所の遺跡が残っていることが判明したと発表した。今回の調査は、各省・市が域内にある長城とみられる遺跡を届け出て、専門家による調査班が現地調査を行い、長城に含まれるかどうかを認証する形式で進められた。
万里の長城の長さは、2000年代半ばまで6000キロをやや上回る程度とされた。しかし、国家文物局は09年、万里の長城の東端がこれまで知られた河北省山海関ではなく、北朝鮮国境に近い鴨緑江河口の虎山山城だと認識を修正。総延長は8851.8キロだと主張。さらに今回は、2万1196.8キロだとの主張を展開した。
09年当時、韓国の学識者の間では、中国が鴨緑江河口の遼寧省丹東市にある高句麗の泊灼城遺跡を明代に築かれた虎山山城だとみて、細かい考証なしに長城を復元したと抗議した。1998年に現地を訪問した徐吉洙(ソ・ギルス)西京大教授は「深さ11メートルを超える大型の井戸があったが、典型的な高句麗様式だった」と指摘している。中国当局が高句麗の山城まで勝手に万里の長城に含めたと批判した形だ。