飲み過ぎは身体に悪いと言われる一方で、少しのお酒は身体にいいと言われることもあるが、一体どれくらいの量が「適量」かご存知だろうか。
オックスフォード大学の研究チームは、飲酒習慣のある人全員がお酒の量を一日にワイングラス半分以下に抑えれば、年間に4500名以上もの命を救えるだろうという研究結果を発表し、話題を呼んでいる。
今回オックスフォード大学の研究チームが発表した安全な飲酒量「ワイングラス半分以下」というのは、これまで英国の保健省が公式に発表してきた推奨飲酒量よりもぐっと少なくなる。保健省が推奨してきた「安全な」飲酒量というのは、男性で一日に3~4ユニット、女性は2~3ユニットだった。
ユニットという単位は我々日本人にとっては聞きなれないが、小さなワイングラス一杯で1.3ユニットほど、1パイントのビール(568ミリリットル)で2ユニットほどだ。したがって、オックスフォード大学研究チームが新たに発表した理想的な摂取量「一日に1/2ユニット」というのは、小さなワイングラスの半分以下、1パイントのビールの1/4という、かなりの少量である。
この結果に至るまでに、研究チームは長期的なアルコール摂取によって生じるおそれのある11の疾患による死亡数を分析した。11の疾患とは、心臓疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病、肝硬変、てんかん、そして数種類のがんである。
また同時に、慢性疾患のリスクに関するデータと、2006年に英国政府が行った1万5000名分の世帯調査で得られた1週間の飲酒量のデータを使用し、推奨飲酒量を研究した。その結果、1日の飲酒量を1/2ユニットに減らせば、毎年4579名の死亡を避けることができるという結果に至った。
1日の飲酒量を1/2ユニットに減らすと、心臓疾患のリスクを減らすというアルコールの効果が抑えられ死亡数が843件増加する。しかし、逆にがんによる死亡者数は2600名、肝硬変による死亡者数は3000名減るという。
今回の研究結果を受けて、英国保健省は安全な飲酒量のガイドラインを再度見直すとのこと。お酒好きな人にとっては残念かつショッキングなニュースではあるが、健康維持のためにはお酒はごく少量に抑えた方がよさそうだ。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:Mail Online(英文)
photo:Rocketnews24.
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