ある打ち合わせで聞いた話なんですが、最近の新卒人事担当者に「採りたい人材について」問うと「“気付き”がある人材が欲しい」と答える人が多いそうです。
気付きがあっても言えないだけ
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若者といっても多様なので、あくまで僕の観察する範囲ですが、「気付きがない」のではなく、単に「気付きがあってもいえないだけ」なんじゃないか、と思います。人材の問題ではなく、組織の問題ということです。
僕と同世代の正社員の方々の話を聞くと、「会社が変わらない」という嘆きをしばしば聞きます。そういう彼らが「気付いて」いないかというとそうではなく、抑圧されて声を出せないだけです。というか、気付いているからこそ嘆くのです。
多くの場合、「気付きがある人材」を採ろうとする前に、まず社内に「挑戦を歓迎し、失敗を許容する」空気を創り出すことが先だと僕は感じます。
それなくしては、せっかく採用した「気付きある人材」も、社内に入った途端スポイルされ「気付きのない人材」に変貌してしまいます。こんな残念なことはありません。
人間を「盆栽」として捉える
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多くの時間を割いて、プロフェッショナルとして働く以上、そもそも「気付きがない」なんてことはあり得ない話です。
気付く能力があることは前提で、気付きを発芽させ、育てていく空気を作ることが大切でしょう。正論っぽくてアレですが…。
ムハマド・ユヌスは人間を「盆栽」に例えていますが、大きな鉢で育てれば人は大きく成長し、小さな鉢で育てれば、そのサイズを超えることはありません。
組織が変わらないなら、環境を変える
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とはいえ、個人として、「会社」を理想的な状態に持っていくのは容易ではありません。特に組織が大きいほど、世代が若いほど。
「会社が変わらない」と鬱屈している方には、「いっそ環境を変える」ことを僕はおすすめしています。転職はもちろん、部署移動でも良いでしょう。若いうちでリスク取れるなら、僕のように独立も良いかもしれません。
そうして素晴らしい仕事に巡り会えれば、過去の悩みなんて吹き飛んでいきます。
「“気付き”がある人材が欲しい」という言葉を聞いて、そんなことを思いました。皆さんはどう考えますか?最近の若者は「気付き」が足りないのでしょうか?
関連本。最近読んだキャリア本ではずば抜けてよかったです(書評)。